NEW STANDARD株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役:久志尚太郎、以下NEW STANDARD)は、代表の久志(東京大学大学院非常勤講師)、および東京大学大学院工学系研究科の柳澤秀吉教授、東京大学大学院修士課程の佐々奏氏による共同研究論文「Human-centered Insight Discovery Method: Meta-Perspective Structure and Insight Discovery Map Show Promising Advantages Over Laddering in Expert Evaluation(人間中心のインサイト探索手法:メタパースペクティブ構造とインサイト発見マップは専門家評価でラダリングに対して有望な優位性を示した)」が、日本感性工学会の国際学術誌「International Journal of Affective Engineering」に採択され、2026年4月9日(木)に公開されたことをお知らせいたします。
■論文の概要
近年、消費者の潜在的な欲求(インサイト)を捉えることの重要性が高まる一方で、従来のインタビュー手法には、回答者のバイアスや分析の属人化といった課題がありました。
NEW STANDARDでは、研究と実践を基盤とした、生活者やユーザーのインサイト発見のためのインタビュー手法と分析手法をクライアントへ提供しています。本論文では、パーソナル・コンストラクト理論に基づき、従来のインタビュー手法である「ラダリング法」に対し、新たに開発した「メタパースペクティブ構造(MPS)」と「インサイト発見マップ(IDM)」を用いる設問設計とインサイト分析の手法の有効性について、専門家による評価に基づいた検証をまとめています。専門家比較では、IDMは新規性・有用性・深さで約6〜7割の比較ペアにおいてラダリング法を上回りました。MPSも、新規性と説得力で約6割の比較ペアで優勢でした。
・メタパースペクティブ構造(MPS=Meta-Perspective Structure):行動、習慣、思考、文脈、環境の5つの階層で人間を多層的に捉え、問いを設計するフレームワーク。

出典:Human-centered Insight Discovery Method: Meta-Perspective Structure and Insight Discovery Map Show Promising Advantages Over Laddering in Expert Evaluation
・インサイト発見マップ(IDM=Insight Discovery Map):MPSで得られた情報から、行動と意識の「矛盾」や「ギャップ」を可視化し、意思決定に資するインサイトへと構造化する分析手法。

出典:Human-centered Insight Discovery Method: Meta-Perspective Structure and Insight Discovery Map Show Promising Advantages Over Laddering in Expert Evaluation
■ 研究結果のポイント
LLMを用いて、従来のマーケティング調査で広く用いられる「ラダリング法」と本手法の出力を比較し、専門家による評価を実施しました。その結果、以下の点が明らかになりました。
1:「新規性」「有用性」「深さ」における優位性
MPSおよびIDMを用いた手法は、従来のラダリング法と比較して、より新しく、深く、実務に役立つインサイトを導き出す傾向があることが示されました。
2:矛盾を起点とした説得力の向上
生活者の文脈や行動の矛盾を可視化するプロセスが、分析結果の論理的な説得力を高めることが確認されました。
3:人間中心のアプローチの有効性
商品(属性)から問い始めるのではなく、その人の「生活環境」から段階的に深掘りするアプローチが、潜在的な動機の発見に寄与することが示唆されました。
■ 論文情報
タイトル:Human-centered Insight Discovery Method: Meta-Perspective Structure and Insight Discovery Map Show Promising Advantages Over Laddering in Expert Evaluation (人間中心のインサイト探索手法:メタパースペクティブ構造とインサイト発見マップは専門家評価でラダリングに対して有望な優位性を示した)
著者:久志尚太郎(NEW STANDARD株式会社代表取締役 / 東京大学大学院非常勤講師)、佐々奏(NEW STANDARD株式会社インターン / 東京大学大学院修士課程)、柳澤秀吉(東京大学大学院教授)
掲載誌:International Journal of Affective Engineering
論文URL:
https://doi.org/10.5057/ijae.IJAE-D-25-00050
■ 久志尚太郎 コメント
「本研究は、当社が数多くのクライアントワークを通じて磨き上げてきた独自のインサイト探索プロセスを、学術的な枠組みで再定義し、その有効性を検証したものです。デジタル化が進む現代において、生活者の複雑な感情や矛盾を捉える『人間中心』の視点は、ますます重要になっています。同時に私たちは、人間中心の深い理解こそが、モノやサービスに新たな解釈と価値を与える『意味中心』の設計の起点になると考えています。今後もアカデミアと実務を橋渡ししながら、人間理解から意味創造へとつながる方法論をさらに発展させ、より透明性が高く、価値創造につながるマーケティング手法の開発に努めてまいります。」
■プロフィール
久志尚太郎
NEW STANDARD株式会社 代表取締役
「この世界は、もっと広いはずだ」をパーパスに、創作・経営・研究を横断しながら活動。16歳で米国の高校を飛び級で卒業後、外資系IT企業を経て社会起業家に転身。2014年、NEW STANDARD(旧TABI LABO)を創業。デザイン思考、意味のイノベーション、感性設計学を基盤に、大手企業のクライアントワークから自社事業まで、コンテンツ、プロダクト、広告、事業、コーポレートアイデンティティの開発を手がける。2023年より東京大学大学院工学系研究科・柳澤秀吉研究室に所属し、「意味中心設計」の研究・教育活動に従事。2026年4月より同大学院非常勤講師。経営学修士(MBA)。
<本件に関するメールでのお問い合わせ先>
NEW STANDARD株式会社 広報
info@new-standard.co.jp
