BPM店長日記 連載vol.9

2021/12/13
ニュースタ!編集部
コロナ禍においてイベントスペース&カフェ「BPM」はいかにして売上アップを図ったか?

皆さん、ご無沙汰しております。池尻大橋にあるイベントスペース&カフェ「BPM」店長の阪田です。このBPM店長日記は、2018年2月のBPM設立から日々の運用の裏側までを話していくコーナー。

前回の執筆から1年以上が経過した今、BPMは当時と全く異なるフェーズに突入することになりました。

当時、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上が0になったところから、現在では安定した黒字事業へと回帰し、さらなる事業成長に向けた新規事業開発を行っています。

今回は、BPMが活気を取り戻し、好調を維持できている理由について書いてみようと思います。

「OMO型イベントスペース」への転換

前回の執筆当時、BPMはどんな状態だったかというと、2020年3~5月のイベント利用が全てキャンセルとなり売上が0になったところから、ウィズコロナ・アフターコロナの世界像を先読みしながら、ユーザー像や自分たちの強みの再定義を行い、「OMO型イベントスペース」という勝ち筋を見つけました。それによって、2020年7月時点で問い合わせ数はビフォーコロナの水準まで戻った、というのがこれまでのおさらいになります。

その後の売上の変遷をお伝えすると、2020年8~10月(弊社におけるFY20 Q2)で、ビフォーコロナ以来の事業黒字を達成。2021年2~4月(FY20 Q4)で、過去3番目の売上を達成し、直近の2021年8~10月(FY21 Q2)で過去2番目の売上を達成しました。

この1年ちょっとで黒字の事業に戻っただけでなく、売上もビフォーコロナの調子の良いときを上回る水準になりました。

好調の3つの理由

では、なぜそんなに好調になったのか? こんな要因があるんじゃないかと僕は考えています。

1つめは、競合の減少です。自分たちのような、渋谷付近で最大200名入る広さで、キッチンやプロジェクター、控室を備えていて、なおかつデザイン性のある空間というのはもともと多くはなかったです。そのうえで、ウィズコロナになってから業界全体で業績の悪化もあり、閉鎖や一時休業に踏み切るスペースが出てきました。

「こんなスペースを使いたい!」とユーザーが思った時の選択肢が減り、結果として選ばれやすくなりました。

2つめは、オフラインのイベント利用の復調です。特に2021年9月以降に顕著なのですが、ウィズコロナの中でも制限付きでイベント開催が行われたり、最近の感染者数の減少に伴って、リアルに人が集まるオフラインのイベント実施も増えてきました。

BPMでも独自の感染対策マニュアルを作成し、利用者の方にも徹底してもらうことで、お互い安心してオフラインのイベント開催もできるようになりました。

3つめは、オンラインの配信イベント利用数の安定した成長です。前回執筆時に注力しはじめたオンライン向けの施策が徐々に成果へとつながっていき、現在でもオンラインのイベント利用が減少せずに、安定した推移でご利用いただけています。

オンライン配信イベントでのレンタルと撮影で売上が取れるようになったところに、これまでのベースだったオフラインイベントが加わる事で、より売上をとれる幅が広がったことが、好調の要因だと感じています。

運営チームの強化も実施

こうした3つの要因に加えて、チームに自力がついてきたという実感もあります。というのも、案件の成約率がこの一年で平均22%⇒33%へと上がっているからです。上記の好調の要因によって問い合わせ数が増えてきた上に、そこから成約する確率が上がっているので、数字にしっかり反映できています。

なぜ成約率が上がったかというと、コロナ禍になってからチームで取り組んできた「案件の振り返り」がしっかりできるようになったからだと考えています。

コロナ禍で案件が激減した時に、一つひとつの案件の重みをチームで感じたので、①「ボツ案件の理由の深堀り」、②「①が起きた原因の特定」、③「②を解決する為のアクションのアイデア出し」、④「③のプロトタイピングの実施」のサイクルをチーム全体で回していきました。これらを週次の定例MTGの中に落とし込めたので、徐々に提案やアクションがアップデートされ、今回の成果に繋がったと思います。

バリスタ支援という点を大事にすればするほど、そのバリスタさんが将来自分でやりたいカフェの世界観を最大限ここで試してもらうことになるため、BPMが考えているコンセプトと少なからずズレが生じてしまいます。その葛藤を経て、運営を始めてからちょうど1年という区切りで、自分たちでカフェを運営していくという決断に至りました。

事業をより成長させるために

そんなこんなで活気を取り戻したBPMですが、一方で課題もいくつかあります。

最大の課題は「事業のスケーラビリティ」です。現行のビジネスモデルでは、スペースを貸し出すことで売上の大半を上げていますが、ここには限界があります。仮に1日に1件の貸し出しができたとして、月間30件の貸し出しが最大値となります。その視点でこれから5年、10年後を考えた時に、自分たちができることは、既に見えている最大値に限りなく近づける事しかできません。

改めて自分たちでカフェ運営を始めるにあたり、すべてをゼロからつくる必要がありました。メニュー、レシピ、価格、豆の調達、バリスタの採用…すべて手探りでしたね。

またスペースレンタルだけに頼ることは、他の課題ももたらします。我々NEW STANDARD社が、唯一リアルにユーザーと接点を持てるのは、BPMでのカフェやイベント事業を通してのみです。社内で広告代理店的な機能を持つ、BUSINESS DESIGN & BRAND STUDIO事業の案件では、こういった我々のユーザーのインサイトを活用することが大いにあります。スペースレンタルだけでBPMの予定を埋めてしまう事は、ユーザーとの接点を無くしてしまうことにも繋がります。

そこで、スペースレンタル以外の新たな武器を見つけるべく、新規事業開発を進めることにしました。次章では、その新規商材開発についてお話ができればと思っています。

「BPM(=Beats Per Moment)」は、NEW STANDARD株式会社が運営するカフェ/BAR・キッチン・イベントスペース・ショップを兼ね備えた多機能空間です。「Feel your Heartbeat」をコンセプトとして、この場の熱量やグルーブ、異なる価値観にふれることを通して、みなさんに鼓動が高まる「体感」をお届けしています。またサウンドクリエイター瀬戸 勝之氏による、360度の立体的かつ臨場感とパワーにあふれる「3Dサウンド」を導入しており、音楽ライブやアート展、ポップアップなど様々なイベントを実施しています。

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