いまだにZ世代は「何を考えているかわからない」存在でしょうか? 2030年に、1995年生まれのZ世代は35歳、2009年生まれは21歳を迎えます。Z世代と呼ばれる人々は、そう遠くない未来、購買力を持つ働き手・生活者・親として、消費経済の実質的な中核へとシフトするのです。
「Z世代に対する4つの認知バイアスレポート」では、Z世代に対する4つの認知バイアスを社会変化や外部要因と併せて解説し、Z世代のインサイトやものの見方を捉えるヒントをお伝えします。

認知バイアス:CASE ③

Z世代の本音
💬 流行りに乗ってる感は否定しないけど、ゼロからの自己紹介は対人コスト高すぎ!
💬 違いを強調すれば周囲から浮くだけ。それって、ただの「リスク」なんで!
💬 共感し合える文脈の中での「微差」こそ私たちの自己表現の本質かもしれません。
抑えておきたい社会変化・外部要因
💡「標準」なき時代
かつては、テレビ番組や雑誌、学校や会社など、社会全体で共有される「当たり前」や「標準」が多く存在し、多くの人が似たようなコンテンツを消費していました。同じ話題や価値観を前提にできたため、そこから少し外れることが「個性」として機能し、他者との差別化こそが自己表現を意味していました。
💡流動的コミュニティへの移行
現在のコミュニティは物理的な場所に基づかず、オンライン上で興味・関心によって形成され、複数を掛け持ちできる流動的な性質を持つようになりました。最初から共有されている前提が少ない分、相手の価値観も距離感も読みにくく、「自分は何者か」を伝えるコストとリスクが高まっています。
「自己表現」に関するZ世代のインサイト
🗣️ 多様性の時代、「自分が何者か」をゼロから説明するのは正直しんどい
Z世代が育ってきた多様性の時代は、一見、自由に見えるかもしれません。でも実際には、情報や選択肢の多く、また変化も早いため、何が正解で、どんな振る舞いが許容されるのかが読み取りづらくなっています。コロナ禍を経てリアルな関係は薄くなり、SNS上で常に誰かの視線を感じる環境では、ちょっとした発言が炎上や叩きにつながる無視できないリスクになります。
こうした状況の中で、Z世代が探しているのは、お互い共感し合える人が集まっていそうな「界隈」です。いきなり全方位に向かって「自分は何者か」をゼロから説明するのではなく、流行りの〇〇診断や推し活、特定の趣味といった同じ前提を共有できる相手と出会うことがコミュニケーションの出発点となります。 Z世代のあいだで人気の「MBTI診断」 は、自己分析のためというよりも、自分と同じ感覚を持っていそうな人を素早く見つけるための共通言語として使われており、「ここなら同じ感覚の人と繋がれそう」という共感で繋がる安全圏を見つけるためのフィルターなのです。
その上で、意見の合わない人との摩擦や悪目立ちを避けながら、言葉の選び方や解釈、好みなどの微妙な違いへの理解を少しずつ重ねていく。その小さなニュアンスの差が共感でつながる感覚を生み、「自分らしさ」を楽しむ余白になっています。Z世代にとって自己表現とは、世界に向けて大きく差異を誇示することではなく、前提を共有できる環境の中で、共感を足場に自分だけのニュアンスを立ち上げていくプロセスだと言えます。
施策立案時のチェックポイント
📌 商品・体験を通じて「この人はこういう界隈の人なんだな」と、周りにさりげなく伝わる見た目や文脈になっているか?
📌 同じ文脈の中で、ここだけは自分らしく変えられるポイントをユーザーに委ねられているか?


