オフィス&カルチャー再編プロジェクトの全貌 vol.1

2020/10/13
ニュースタ!編集部

コロナ禍を経て
オフィスの価値を問い直す

新型コロナウイルス感染症をきっかけに、NEW STANDARD社もリモートワークを基本とした働き方にシフトしました。それに伴い、池尻大橋に借りているオフィスビルのうち、1フロアを解約しました。

この働き方のシフトは、創業以来、企業カルチャーの形成やグルーヴの醸成に注力し、自炊ランチや月に一度のLFMPというパーティー、焚き火合宿など、リアルでのコミュニケーションを重視してきた弊社にとってはカルチャーの根幹を揺るがす大事件でした。

そこで、代表の久志を発起人として、オフィスと企業カルチャーを再編するプロジェクトを始動。これまで大切にしてきた企業カルチャーやグルーヴ感を維持する、オンラインを中心とした働き方や、オフィスそのもののリ・デザインに取り組み始めました

本プロジェクトは、2階にあるイベントスペース&カフェ「BPM」店長の阪田やメディア「TABI LABO」の配信担当の高井をリーダーとした、社員主導の横断組織として発足。また、社外パートナーとして「D4V(Design for Ventures)」の高橋さんにも参加していただきました。

私たちも模索中ではありますが、今回は「いまの時代におけるオフィスの価値」について、このプロジェクトから見えてきたことをまとめました

※オンラインを中心にした働き方に関しては、別の記事にまとめてく予定です。
<参考記事>
ウィズコロナ時代の新しい納会のかたち「OMO型納会」とは?
生産性と創造性を高める、オンライン会議術「4つのTips」

生産性と創造性を最大化する
オフィスをどのようにつくるか?

NEW STANDARD社らしい働き方の模索と、オフィスというリアルな場が持つ価値を再定義しリ・デザインすること。主にこのふたつを目的とした本プロジェクトを進める上で、デザインシンキングのプロセスに沿いながら、下記のようなデザインチャレンジを設定しました。

「当社にとって、企業カルチャーは農業で例えるならば『土・土壌』です。このベースがあるから、僕たちのCI(コーポレート・アイデンティティ)や経営システムが機能する。だからこそ、今回のオフィス&カルチャーの再編は、経営陣ではなく社員主導の組織で行なうこと。そして、デザインシンキングを活用してユーザーである社員と向き合いながら進めることに決めました。(阪田)

まず最初に行なったのは、社内メンバーに対するインタビューとアンケート調査。そこで得られた情報からインサイトを抽出し、機会領域を見出し、プロトタイプ開発を行なうというステップで、プロジェクトは進んでいきます。

「まず全従業員が今働くことについて何を考えているかを把握するために、社歴と部署がバラバラになるように10人を選定し、ユーザーインタビューを実施しました。同時にそれ以外の全メンバーにもアンケートを一斉配布。そこで聞いたのは、コミュニケーション、心と身体の健康状態、モチベーション、クリエイティビティ、生産性、インプット/アウトプットなどに関する質問でした。意外なことに健康面ではあまり変化がなく、大きく変わったこととしてあがったのがコミュニケーションだったんです」(高橋)

高橋さんは調査のプロセスをこのように振り返ります。
コミュニケーションのなかでも課題となったのが、「偶発的なコミュニケーションの消失」です。それに伴い、インスピレーションやインプットの欠如という課題も浮き彫りになってきました。

「もうひとつの大きな課題は、新しく入社したメンバーが、会社の人のことを知る機会が少ないということでした。そこでプロトタイプとして実践したのは『自己紹介をするPodcastの配信』です。ほかにも全ての会議のなかに雑談時間を5分設けたり、チェックインとチェックアウトを行なったり。これに関してはいまも試行錯誤の最中ですね」(高橋)

ほかにも生産性という点では、人によってばらつきが出ました。記事を書いたりするライターや編集者が中心のメディアチームは、在宅勤務によって集中できるようになったと回答し、一方でバックオフィスやデザインチームなどの横断組織や、他部署との連携が多いメンバーはコミュニケーション不足による生産性の欠如を感じていました。

「NEW STANDARD社はもともとオフィスでの雑談文化が根強かったんです。LFMPの開催や自炊ランチ文化、ほかにも2FのBPMでコーヒーを注文して待っている間の雑談や新しいメンバーが入ったときのオフィスツアーなど。これらに伴う偶発的なコミュニケーションはオンラインでは生まれ得ないんですよね(阪田)

「オフィスでの時間こそが、この会社で働く意味」

調査のなかでユニークなインサイトも見えてきました。そのひとつは「オフィスが持つ価値」に関する意見です。

「メンバーによっては、オフィスこそが働く意味だという人もいたんです。詳しく聞いてみると『仕事自体は、別に業務委託やフリーランスでもできてしまう。仕事してお金を稼ぐだけであればオフィスも会社もいらない。ただ、ここに属したいと思うのは、一緒に働くメンバーがいて、集まれる場があり、そこでないと感じられないカルチャーや空気感があるから。オフィスでの時間こそがこの会社に所属する意味なんです』と答えてくれたんです。オフィスの意義とその重要性を改めて気付かされて、驚きましたね」(阪田)

「わたしもいまは一ヶ月に1回しか出社しておらず、通勤に1時間かかるので快適だと最初は思っていたんですね。でも、時間が経つに連れて、オフィスに行かなければこの会社で働く意義や所属する意義がないと、なんとなく感じ始めていました。LFMPも、焚き火を囲むことも、みんなでのランチづくりもできていません。だからこそ難しいのは、オフィスが好きな人と自宅で働きたい人。その相反するふたつのグループに対して、どのようなオフィスを設計し、オンラインのコミュニケーション施策を打つべきか、ガイドラインを制定するべきか。いまはまだ答えが出ていない部分ですね」(高井)

「人が交わる場所」として
オフィスを再設計する

今はいくつかのプロトタイプの結果を経て、オフィスに関する新しいガイドラインの策定を進めています。

同時に、オフィスの1フロアを引き払うことは決めていたため、「人が交わる場所」として再定義したオフィスのハードウェア面でのリ・デザインはそれに先んじて行ないました。

オフィスのハードウェア面を再設計
オフィスの価値の再定義に基づき変更した、3Fのオフィスの間取り

「3階のオフィスフロアの中央にキャンプファイヤースペースをつくりました。人が交わる場所としての機能を追加するために、焚き火からインスピレーションを得ながら、設けたスペースです。ほかにも今の働き方に合わせて、テレカンスペースを作ったり、本は家でひとりでも読めるからライブラリースペースを思い切って撤去したりと、こちらもプロトタイプの最中です」(阪田)

今後も、オフィスのリ・デザインとオンラインでのコミュニケーション施策を試しながら、NEW STANDARD社らしい働き方を実現するためにアップデートしていく予定です。試したプロトタイプや11月に実施する焚き火合宿の様子などはまた12月に掲載したいと思います。どうぞお楽しみに!

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