いま、生活者の価値観や行動様式は、かつてないスピードで複雑に変化しています。2026年現在、これまでマーケティングの主流であった効率主導や、SNSを中心としたオープンなコミュニケーションに対して、明らかな揺り戻し(カウンター)の気運が見られ始めています。
本レポートでは、M・Z・α世代を中心とした独自の調査をもとに、2026年に押さえるべき文脈を5つの重要な「キーワード」として整理しました。生活者の変化の兆しを掴み、次なる意味づくりを加速させるための資料として、これからの新しい価値創造をするための基軸となるヒントをお伝えします。

03. Re:青春|「冷笑」を吹き飛ばせ。

⻘春、熱狂、真剣を取り戻して「アチアチ」な刺激が欲しい
人の真剣な主張や活動を斜に構えて見下す「冷笑主義/冷笑系」に反し、ピュアで行動的な姿勢を大切にする「Re:⻘春」な潮流が生まれつつあります。
背景には、今の20代前半世代が、コロナ禍で中高生時代の⻘春体験(部活動、学園祭、修学旅行)を奪われたことや、幼い頃から炎上事例を見てきて高いデジタルリテラシーを身につけたこと、また人間臭く熱いエンタメ(映画、アニメ、アイドル、オーディション番組など)に夢中になった原体験があることが挙げられます。
社会や世の中の大きな枠組みに対しては一定レベルで冷静でも、自分の身の周りのイベントや、家族、親友に関連することには「ピュアに全力で向き合う」傾向にあります。感情に素直に、興味があることはとりあえず全力でやってみる刹那的ながら少しでも人生を好転させようとする、そして⻘春を肯定するトレンドが注目されています。
「奪われた青春を取り戻したい」“熱狂”の渇望
大学1年〜4年生200名を対象にしたサークルアップの2024年の調査によると、 87%が「コロナで高校生活の⻘春が失われたと思う」と答え、6割が「コロナで失われた学生時代の⻘春を大学で取り戻しに行っている感覚がある」と回答しました。
また、楽天が発表したZ世代ユーザーにおける2025年上半期人気エンタメランキングでは『メダリスト』『ONE PIECE』『キングダム』『ブルーロック』など “熱さ” や “人間臭さ” が象徴的なコンテンツが上位を占めました。
「Re:青春」な事例
・お笑いやオーディション番組に見る「舞台裏」の熱さ:本番の華やかさだけでなく、泥臭い葛藤や涙、友情といった「剥き出しのリアル(舞台裏の可視化)」を共有するナラティブに、視聴者が当事者として強く引き込まれています。
・仲間との「青春」「人間臭さ」を描いた漫画/アニメの人気:『ハイキュー!!』『ブルーロック』『僕のヒーローアカデミア』といったエンタメ作品における、登場人物たちが悩みながらも仲間と努力し、自らの力で状況を切り拓いていく“熱い生き様”が、閉塞感のある現代を生きる人たちに、強い共感と活力を与えています。
・筋トレ/美容/勉強/恋リア「誰かの頑張り」への共感:目標に立ち向かっていくプロセスをオープンにしたSNSや動画コンテンツが浸透し、出演者が自信をみなぎらせていく過程に共感し、熱狂するトレンドが広がっています。
「Re:青春」から読み解く、次なる消費潮流

企業と生活者は、青春体験の「共犯者」へ
「Re:⻘春」からは、コロナ禍で⻘春を制限された世代の「不完全燃焼 な熱量」と「大人のリベンジ欲」が融合した、強い消費潮流が読み解けます。冷笑スタイルでエモさに浸る価値観から徐々にシフトし、「当事者として熱狂や⻘春を奪還する」、そんな動きが期待されます。
そのとき企業やブランドは、生活者の熱量を肯定し、背中を押し続ける存在であるべきでしょう。 そんな「⻘春への共犯関係」が強いエンゲージメントを生み出すのではないでしょうか。
★★★
レポートのフルバージョンでは、以下5つのキーワードについて詳細を解説しています。
ぜひ時代の「コンテクスト(文脈)」を捉えるヒントにしてみてください。
01 | アンチ・オートメーション 「⼿触り」「ひと⼿間」を求める若者たち。
02 | ハイパー・ローカリズム 暮らしもSNSも、マイクロに。
03 | Re:⻘春 「冷笑」を吹き⾶ばせ。
04 | ⾃⼰編集型ラベリング 更新し続ける「⾃分」ってなんだ?
05 | ネオ・誠実さ時代 ポーズじゃない、向き合う⼒。



