いま、生活者の価値観や行動様式は、かつてないスピードで複雑に変化しています。2026年現在、これまでマーケティングの主流であった効率主導や、SNSを中心としたオープンなコミュニケーションに対して、明らかな揺り戻し(カウンター)の気運が見られ始めています。
本レポートでは、M・Z・α世代を中心とした独自の調査をもとに、2026年に押さえるべき文脈を5つの重要な「キーワード」として整理しました。生活者の変化の兆しを掴み、次なる意味づくりを加速させるための資料として、これからの新しい価値創造をするための基軸となるヒントをお伝えします。

05. ネオ・誠実さ時代|ポーズじゃない、向き合う力

いま、本当に企業に求められる「誠実さ」とは何なのか
「SDGsや多様性にコミットする」「SNSでイメージアップを図る」といったブランディングやマーケティングは確かに重要ですが、もしもそれらが “ポーズ” であった場合、顧客からすぐに見透かされてしまう時代になりました。その背景には、生活者の関心が、遠くの綺麗事よりも「今の自分の暮らし」へと移っていることが挙げられます。
2010年代に語られてきた「誠実さ」はもはや特別な魅力ではなく、あって当たり前の前提になりました。いま求められるのは「有言実行」もしくは「不言実行」の姿勢なのかもしれません。企業の考えや力が、商品やサービスそのものにきちんと表れていること。そして地道に品質やサービスを磨くことはもちろん、都合の悪い情報は開示して向き合うこと。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、そうして生活者の「時間」や「選択」というコストを尊重する姿勢こそが、これからの時代に求められる「ネオ・誠実さ」なのかもしれませ ん。
「実利や実績」が誠実さの証明になる
Z世代の男女400名を対象にしたPRX Studio Qの2025年の調査では、商品やサービスを選ぶ際の重要なポイントで「サステナビリティ(環境配慮)」と答えたのは、全体の2.8%に留まりました。半数以上が「価格」(51.3%)、次に「機能性や実用性」(14.8 %)と、実利的な要素を重視していることが見えてきました。
また、日本リサーチセンターによる「サステナビリティ」に対するイメージの調査では、「明るい気持ちになる」と答えた20代は2.0%と他世代に比べて少なく、「意識高い系・表面的に感じる」と答えた20代は20.3%でした。
「ネオ・誠実さ時代」な事例
・飲み込まれる「透明性」や「サステナビリティ」:原価開示や環境配慮で一世を風靡したブランドの買収や不振が話題になり、サステナビリティへの信頼が薄れつつあります。ミレニアルズ的な「正しさ」だけでは生活者が買い続ける理由にはなりにくく、誠実さを維持するためには持続可能なビジネスモデルとしての自立が求められます。
・JTC(伝統的な日本企業)への再評価:ビッグテックの冷徹なレイオフなどが溢れるなか、日本の伝統的企業が持つ「品質へのこだわり」や「雇用を維持し社員を守る姿勢」という地道で実直な誠実さが、長期的な信頼を重んじる現代の強力なブランドとして再評価されつつあります。
・逆に誠実?令和に賛否を巻き起こす「ゾス」文化:ハードワークや独特の熱量を前提とする企業カルチャー「ゾス」。その過酷さや本音を隠すことなく透明性を持って提示するスタンスは、入社後のミスマッチを防ぐという意味において、ある種の実直さや誠実さとして捉えられています。
「ネオ・誠実さ時代」から読み解く、次なる消費潮流

揺さぶられず、「本質」に立ち返る好機
「ネオ・誠実さ時代」から読み解くこれからの消費潮流は、表面的なイメージやマーケティング手法だけではなく、より本質的な企業の「実力」が重視される時代になってきたと言えるでしょう。
便利さや効率を追う風潮に疲れ始めた生活者は、本来企業やブランドが大切にしてきた「ものづくり」や「顧客との向き合い方」といった、地道で実直な取り組みを見直し始めています。政治・経済ともに混乱を極める時代において、本当の意味での「誠実さ×らしさ(オリジナリティ)」が求められています。
★★★
レポートのフルバージョンでは、以下5つのキーワードについて詳細を解説しています。
ぜひ時代の「コンテクスト(文脈)」を捉えるヒントにしてみてください。
01 | アンチ・オートメーション 「⼿触り」「ひと⼿間」を求める若者たち。
02 | ハイパー・ローカリズム 暮らしもSNSも、マイクロに。
03 | Re:⻘春 「冷笑」を吹き⾶ばせ。
04 | ⾃⼰編集型ラベリング 更新し続ける「⾃分」ってなんだ?
05 | ネオ・誠実さ時代 ポーズじゃない、向き合う⼒。



