欧米で注目される新たなウェルビーイング「SBNR」は日本人のDNAに染み付いている? ──ニュースタンダードキーワード!!

2024/02/05
ニュースタ!編集部

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。第18回にご紹介するキーワードは「SBNR」。ウェルビーイングに内包される新たなトレンドとして、欧米の若者を中心に増えている価値観です。

SBNRは、じつは日本人の感覚や生活とも近しい関係があると言われています。その背景と広がりについて解説していきます。

「SBNR」とは

SBNRとは「Spiritual But Not Religious」の頭文字から取っており、直訳すると「無宗教型スピリチュアル」のことを表しています。「特定の宗教を信仰しているわけではないが、スピルチュアルな豊かさを求める人々のことや、価値観そのもの」を指しています。アメリカの調査機関「Pew Research Center」によれば、アメリカ国民のおよそ4人に1人がSBNR層に該当するという見方もあります。

>> SBNRが生まれた背景

SBNRは、2000年代頃からアメリカを中心に広まった考え方だと言われています。 アメリカでは伝統的にキリスト教が社会の精神基盤になっていましたが、 70〜80年代以降、徐々に宗教離れの傾向が強まってきました。
こうした状況のなか、2000年に刊行されたスヴェン・アーランドソンの書籍 『Spiritual but not Religous(宗教的ではないがスピリチュアル)』 により、変化しつつあるアメリカの宗教事情や新たな価値観を表すものとして「SBNR」が広く使われるようになりました。
「SBNR」は既存の信仰にとらわれず、個々の自由な意志で精神的充実のために取り入れられることが特徴的です。

>> 禅、ヨガ、瞑想、サウナ、デジタルデトックス、占星術……日本との親和性も◎

「SBNR」の一環としてイメージしやすいところでは、欧米での「禅」トレンドが挙げられます。起業家やセレブを中心に、精神的な豊かさを求めるために仏教の「禅」の人気が高まりを見せたことはご存知の方も多いでしょう。しかし彼ら彼女らのすべてが仏教徒というわけではありませんし、ヨガや瞑想、サウナ、デジタルデトックスなどと並び、自分自身を整える目的で取り入れられることがほとんどです。

またZ世代を中心に、TikTokやInstagramなどのSNSを起点にアストロロジー(占星術)や、占いを楽しむ人が多いことも一種の「SBNR」だと捉えることができるでしょう。

>> 日本とSBNRの親和性
SBNRの価値観が広がる背景には、VUCAと言われるような不安定な社会情勢のなかで、自己探求や心の豊かさを見出し「本当の幸せはなんだろう?」「本当の安らぎはなんだろう?」といった、根源的な問いへの答えを多くの若年層が求めていることが読み解けます。

その点、日本古来の精神文化や、八百万の神・アニミズムなどの自然とのつながりを重んじる価値観、さらに前述した禅や瞑想といった習慣は、もともとSBNR的な側面を持ち合わせているため、外国の方からは魅力的に映る側面も多いと言われます。つまり、日本独特の精神性や美学が、SBNRの台頭によって再評価されていると言っても良いでしょう。

SBNR層に関連した旅行や地方創生の動きも広がりつつあり、ウェルビーイング文脈の観光を通じても注目されています。

SBNR」3つの注目ポイントまとめ

1. 宗教を離れ、個人の精神的充実を求めるウェルビーイングの新たな傾向
2. VUCAと言われる不安定な社会情勢のなかで、身近な「心の豊かさ」を重視
3. 日本独特の精神性や美学が、SBNRの台頭によって再評価されているという見方も

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