TikTok発のセルフケアトレンド「#solodate」は、自己認識を高める第一歩? ──ニュースタンダードキーワード!!

2023/06/12
ニュースタ!編集部

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。第13回でご紹介するキーワードは「Solodate(ソロデート)」。近年、ひとり焼肉、ひとり映画、ひとりカラオケなどを中心に、Z世代にとって「ひとり行動」はごく普通の選択肢になり、それに合わせて世の中にもさまざまな「おひとりさま用サービス」が充実してきています。TikTokでも、ひとりでピクニックやディナー、旅行を楽しむ姿を投稿するハッシュタグ「#solodate」が注目されており、今回はTikTok発のトレンド“ソロデート”について紐解きます。

「Solodate」とは

Solodate(ソロデート)とは、自分の幸せやメンタルヘルスだけを考えて、ひとりの時間を楽しむための活動(=デート)のことを指します。これまでの「おひとりさま」や「ソロ活(単独活動)」と異なるのは、“セルフケア”や“セルフラブ”にフォーカスする傾向にあることです。

Pinterest(ピンタレスト)が毎年発表しているトレンド予測レポート「Pinterest Pedicts 2023」でも、セルフケアに関連するキーワードが多く上がっているように、近年注目されているセルフケアの意味を含んだおひとりさま行動が、現在の「Solodate」です。

>> 2020年〜現在は「第三次おひとりさまブーム」

以前から、「おひとりさま行動」という風潮はありました。第一次おひとりさまブームは2000年代半ば、バブルの真っ只中に青春時代を送り、男女雇用機会均等法が浸透した職場でバリバリ働くキャリア女性が、高級ホテルの「ひとりエステ」や寿司店のカウンターの「ひとり握り」などを贅沢に楽しむことにステータスを見出していました。

第二次おひとりさまブームは、2000年代後半〜2010年代初頭です。無印良品やユニクロで育ったX世代の「シンプル族」が、カフェや岩盤浴、立ち飲みなどで安くカジュアルに過ごすことがブームとなっていました。

第一次、第二次おひとりさまブームを経て、第3次おひとりさまブームと言われる2020年〜現在は幅広い世代が、食事からエンターテインメントまで様々な「ひとり行動」をするようになりました。その背景にあるのは、スマートフォンとSNSの普及です。

現在、SNSを開くだけで、いつでも友人とつながっている感覚を得られるようになりました。以前はひとりで行動することは、「友達がいない」「寂しい」というマイナスイメージがありましたが、こうしたSNSでの繋がりによって、ひとり行動は「充実した時間を過ごせる」「友達に気を使わなくて済む」というプラスイメージへ変わっていきました。

「Solodate」の具体的な事例

>> TikTok発の最新セルフケアトレンド「#solodate」

SNSによって誰とでも気軽に繋がれるようになった反面、「誰かと過ごしたい」よりも「一人の時間を大切にしたい」という価値観も生まれています。

SNS疲れやセルフケアをきっかけに広まったTikTok発のトレンド「#solodate」は、TikTokで2.6億回再生されている人気コンテンツです。

「#solodate」動画の多くが「この動画をきっかけにソロデートしてみて」、「ソロデートはベストなデート」と語っていて、ひとりで行動することの素晴らしさを伝えています。ソロデート(映画、買い物、美術館、ピクニックなど)に密着するというものが多く投稿されています。BGMがついているものもあれば、ユーザーのナレーションが入っている動画もあります。

@lifewithhopee this is your sign to head out on a solo date and bring #BabybelLight along with you! #AD 🧺 #picnicdate #solodate #solodateideas #dateideas #funthingstodo #inspo #motivation #selfcare #selflove #inspiration #routine #solodates ♬ original sound – hope

「#solodate」は、TikTokセラピーのひとつの形と考えられており、セルフケアやセルフアウェアネス(自己認知)ともつながると考えられています。

ひとりで時間を過ごすことに居心地の良さを感じるようになることは、セルフケアやセルフアウェアネスの第一歩となります。「#solodate」は、映画、買い物、旅に行くなどのどこかに訪れることだけではありません。瞑想やアートジャーナルセラピーなど、自分と向き合う機会のことも含んでいます。

@rimansh37 Painting the “Starry Night” 🤍 #fyp #fypシ #solodate #wineandpaint #paintwithme ♬ original sound – xxspeed.up.audiosxx

2023年、様々なメディアやマーケティングの研究機関が今年のトレンド予測として、“セルフケア”を発表しました。今後も「#solodate」のように、セルフケアに関連するTikTokトレンドやSNSトレンドが増えていくのかもしれません。

「Solodate」3つの注目ポイントまとめ

1.  SNSの浸透によって、ひとり行動は「友達がいない」「寂しい」というマイナスイメージから「充実した時間を過ごせる」「一人の時間を大切にできる」というプラスイメージへ
2. スマートフォンから離れて、人間関係をオンオフすることで、自分だけの時間を大切にするセルフケアの役割になっている
3.「 #solodate」は、映画、買い物などのどこかに訪れることだけでなく、瞑想やアートジャーナルセラピーなど、自分と向き合う機会のことも含んでいる

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