Authentic（オーセンティック）とは？意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説

Authentic（オーセンティック）とは？意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説 | ニュースタンダードキーワード!!

2024/06/13

ニュースタ！編集部

新しい基準・価値観

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。新しい価値（イミ）を象徴するキーワードの意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説します。
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Authentic（オーセンティック）とは

Authentic（オーセンティック）は、「本物、実際の」「忠実な」「信頼できる」などを意味する形容詞で、アメリカの辞書出版社「メリアム・ウェブスター」の「Word of the Year 2023」に選出されました。対応する名詞は Authenticity（オーセンティシティ）で、「信憑性」「確実性」「真正性」と訳されます。

Authentic（オーセンティック）は、Real や Actual と同義語の「虚偽や模倣ではない」という意味や、True と同義語の「自分自身の個性や、精神、性格に忠実である」という意味でも使われ、元々、検索数の多い単語であったといいます。しかし、2023年はさらに検索数が増え、今や企業やブランドにとって欠かせないキーワードになっています。

参照：Word of the Year 2023（Merriam-Webster）

AIやセレブ文化が「オーセンティック」の重要性を後押し

「メリアム・ウェブスター」の解説によれば、2023年、Authentic（オーセンティック）への関心を高めた要因として、リアルとバーチャル、フェイクの境界線を曖昧にした生成AIの台頭が挙げられます。

また、歌手のレイニー・ウィルソンやサム・スミス、テイラー・スウィフトは、Authentic Voice、Authentic Self のような形で Authentic（オーセンティック）を好んで使用するセレブリティであるといいます。
特にテイラー・スウィフトは、自分の体験や感情を音楽で表現するアーティストです。ファンとの真のつながりを重視した Authentic（オーセンティック）な姿勢は、企業やブランドが学ぶべきものとして注目を集めました。

参照：Three Ways To Tap Into Taylor Swift’s Authenticity And Build An Eras-Like Workplace（Forbes）

ソーシャルメディアも「オーセンティック」にシフト

ソーシャルメディア文化も、Authentic（オーセンティック）を注目キーワードにした大きな要因です。デ・インフルエンシング（de-influencing）がムーブメントになり、報酬を受け取って商品を宣伝するインフルエンサーよりも、ユーザーは創造的な自己表現に情熱を傾けるコンテンツクリエーターに注目しつつあります。

また、ソーシャルメディア自体にも Authentic（オーセンティック）が求められているようです。Sensor Towerによると、日本で「BeReal」が人気になった2023年初頭から日本におけるMAUが急増。2024年1月のMAUは前年同月比で10倍以上といいます。Authentic（オーセンティック）なつながりを求めるZ世代は、「映え」から盛らないリアル＝Authentic（オーセンティック）にシフトしているようです。

参照：『BeReal』の日本MAUが1年で10倍以上に、日本ではiOSが9割で男性比率も他市場に比べて高い独自の市場（Sensor Tower）

Duolingoの「オーセンティック」なTikTok戦略

Z世代向けのブランディングやマーケティングの分野で Authentic（オーセンティック）の重要性が語られる時、優れた事例として挙げられるのが語学学習アプリ「Duolingo」です。

マスコットキャラクター「Duoくん」が登場するTikTokでは、安全策を取りたい企業の公式アカウントとは一線を画す、面白動画コンテンツを投稿しています。TikTok特有のノリやミームなどのトレンドを瞬時に取り込むセンスにユーザーは親しみやすさと本物である様＝Authentic（オーセンティック）を感じているようです。