“TikTok×音楽” という新たなフィールドをZ世代はどう捉えるのか

2024/02/03
ニュースタ!編集部

NEW STANDARD THINK TANKが四半期に1度発行している「Quarterly Report」。ここでは、2023 Winter号に掲載した「TikTok×音楽という新たなフィールドを、Z世代はどう捉えるのか」というテーマで実施した、Z世代3名へのインタビューをご紹介します。

Z世代は、TikTokをきっかけにどのように音楽と出会い、楽しんでいるのでしょうか。

<CASE1>
プレイリストの30%はTikTokから取り入れてます

<社会人3年目/24歳/Aさんの場合>

──Aさんはどのくらい「TikTok」で音楽を意識していますか?

そんなに意識しているつもりはなかったんですが、そう質問されると「最近この曲よく聞くなぁ」「動画の内容よりも曲が気になるなぁ」と感じることが多いので、知らず知らずのうちに新しい音楽との出会いの場になっているのかもしれませんね。

──主にどんな音楽との出会いの場になっていますか?

海外の曲が多いですね。私の場合、海外の曲との第1接点がほぼTikTokになってきていると思います。そこで気に入った曲やアーティストを、音楽アプリのプレイリストに入れることが増えてきました。だいたい全プレイリストの30%くらいはTikTokきっかけで知った曲になっているかもしれません。

──なるほど。プレイリストに取り入れたくなる曲に傾向などはありますか?

やはりTikTokで回ってくる動画の曲なので、キャッチーなものが多い印象です。そこで気になった曲のリミックスやアレンジバージョンをディグっていくこともあります。あとは動画についている曲だけではなく、レコードを紹介しているアカウントや曲をしっかり解説しているアカウント、あとはアーティストへのインタビューアカウントなどもつい見てしまうので、そういったところから新しい発見をする機会も増えてきました。

──ということは、新しい曲との出会いの最前線にTikTokがあるということですか?

出会いの選択肢がひとつ増えた、という感じでしょうか。もちろんお店や街で流れてきた曲が気になってShazamすることもあります。ただ個人的には2~3ヶ月くらいのターンでTikTokの音楽トレンドが変遷しているイメージがあるので、ちょうど聞き飽きてきた頃にまた新しいバズの波がやってくるかなって感じています。ちょうどいい周期ですね(笑)

<CASE2>
「あ、TikTokでバズったやつだよね」と言われるとちょっとフクザツ(笑)

<社会人1年目/22歳/Bさんの場合>

──Bさんはどのくらい「TikTok」で音楽を意識していますか?

洋楽に合わせて踊っている女の子の動画とかつい見ちゃうので、そこから自然と音源を調べたり、そのままプレイリストに入れちゃうことも多いですね。1曲気になったらアルバム丸ごととか、そのアーティスト全部入れたくなるタイプなので、けっこうTikTokをきっかけにして最近トレンドの音楽をキャッチアップしているほうだと思います。

──主にどんな音楽との出会いの場になっていますか?

TikTok起点だとやっぱり踊りやすいというか、元気な曲が多いですね。ただもともと好きなアーティストや曲だったのに「あ、TikTokでバズったやつだよね」みたいな謎のラベリングをされるのが気になっていて「流行りだからでしょ?」とひとくくりにされがちな状況には少しフクザツな気持ちになります(笑)。

──なるほど。影響力があるだけに、“TikTok音楽” というネガティブなラベリングをされることがあると?

はい、感じることはあります。瞬間的にさまざまな動画で拡散されていくので、その分飽きられるのも早かったり、消費されてしまっている感覚はあります。それがもともと好きな曲だったりアーティストだと「うーん」という気持ちにはなりますね。

──TikTokを使うようになってから音楽との出会い方や触れ合い方に変化はありますか?

もともとSpotifyのレコメンドで色々新しい音楽に触れていて、もちろん今もそれは継続中なのですが、そこに新しい情報源としてTikTokが加わってきた感じでしょうか。TikTokはとにかくアルゴリズムが「自分にとって最適」になっているので、やっぱり好きなものとか共感しやすいものがキャッチアップしやすいんですよね。私の場合は、移動中や外出先でTikTokを見ることはなく、基本は家でダラダラしているときに見るんです。なので移動中とか仕事中は音楽だけにしておきたいんですよね。なので、TikTok→音楽アプリへ、という流れが自然なのかも。

<CASE3>
未知の音楽との出会いの場でもありコミュニティのような場でもある

<大学4年生/23歳/Cさんの場合>

──Cさんはどのくらい「TikTok」で音楽を意識していますか?

もともと自分が積極的に投稿していたこともあり、どんな音楽をつけようか、どんな音楽ならバズるか、と考える機会が多かったので、かなり意識しているほうだと思います。

──投稿内容はどんなものが多いのですか?

アーティスト活動やモデル活動をしていたこともあるので、自分自身のプロモーションとして作成したり、あとは日常的な内容も投稿していました。そういう活動をしている人にとっては、ある意味で「誰にでもチャンスがある環境だな」とも思いますし、だからこそ「ひとにぎりの人しか注目されない(生き残れない)」フィールドなんだなとは感じます。

──動画BGMとしての音楽だけではなく、アーティストや楽曲にとってTikTokはどんな場ですか?

良くも悪くも「一曲だけのファン」が作りやすい環境だと思いますし、ユーザーにとっても「特定の一曲だけ知っている」という環境が起きがちです。これもポジネガ両面あるのですが、TikTokをアーティスト自身のセルフプロデュースの場として、またはファンとのコミュニティとして捉えている人は、一過性のバズだけではなく、ビハインドザシーンや日常的なシーンなども見せながら、TikTokという場をうまく活用しているんだなと感じます。

──TikTokに触れる前と、触れる前では、新しい音楽との出会い方に変化はありますか?

昔はMTVのMVランキングを見て新しい音楽を知ったり、姉のプレイリストを同期していたことを思い出してきました。TikTokは受け身で見ているだけでも試し聞き的に新しい音楽に出会えるのが良いですね。気に入ったものをプレイリストに入れたり、YouTubeではその楽曲のライブバージョンやアコースティックバージョンを、という住み分けをするようになりました。


TikTok×音楽に関するZ世代の価値観や、より詳しいプロモーション事例などをお探しの方は下記より「Quarterly Report」をダウンロードください。

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