Laufey、槇原ドリル……デジタル消費時代のハブ「TikTok」はZ世代と音楽の関係性をどう変えたのか ──ニュースタンダードセミナー!!レポート

2024/02/14
ニュースタ!編集部

ミレニアルズやZ世代の生の声を起点に、国内外でいま生まれている新しい基準や価値観を紹介する「ニュースタンダードセミナー!!」の第10回がオンラインで開催されました。

今回のセミナーは、「TikTok×音楽」を起点に考える、Z世代の知られざる特徴とは? というテーマでお届けしました。特別ゲストに株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのBe事業部にてTikTokにおける楽曲プロモーション業務を担当する田巻海咲さんをお招きし、音楽プロモーションの変化やバズを生み出す拡散構造についてお話いただきました。

セミナーの後半では、NEW STANDARD社のZ世代リサーチャーも交えてリアルボイスセッションを実施。その一部をご紹介します。

【今回のセミナーの登壇者】

TikTokきっかけで好きになった曲やアーティストは?

ミレニアルズを代表して田巻さん、Z世代を代表して高田さんと菅さんに「TikTokきっかけで好きになった曲やアーティスト」について、その理由とともにお聞きしました。

田巻さん(M世代):私は、TikTokでバズってビルボードチャートのTikTokソング1位にもなったSIX LOUNGEのリカという楽曲を選びました。TikTokだとサビだけとかAメロだけ、とワンフレーズから気になっていくパターンが多いと思うのですが、改めて音楽ストリーミングでフルで聞いたら「こんな曲だったのか」「こんな深い歌詞だったのか」と驚いてとても好きになりました。もともとK-POPなどが好きだったので日本のロックなどをあまり聞いてこなかったのですが、新しい発見になりました。TikTokにはそういう出会いがありますよね。

@sixlounge_offcial #リカ#sixlounge #配信ライブ映像 ♬ リカ – SIX LOUNGE

高田(Z世代):私は、Laufey(レイヴェイ)っていうアーティストが好きで、アイスランド出身のZ世代ジャズシンガーです。大学在学中にご自身で作詞作曲して発信した曲がTikTokでバズって、1年くらいでSpotifyの月間リスナーが2000万人を超えていました。バズり始めた頃、本人のTikTokアカウントから音楽以外の等身大の投稿がおすすめで流れるようになってきて、さらに彼女の楽曲を使った投稿も増えていた時期だったので、気になってSpotifyでもチェックしました。ラブソングが多いアーティストで、曲の背景などを本人がTikTokでシェアしているのですが「でも私は恋愛経験が浅いんだよね」みたいな自虐的なユーモアのある投稿もしていて、そういうビハインドザシーンを知ると友だちじゃないのに友だちの歌を聞いているような、そんな距離感になってしまうんですよね。彼女には一卵性の双子がいるんですが、お互いに双子ジョークのようなやりとりもしていて、それも微笑ましくてつい姉妹2人とも好きになってしまいました。

@laufey this may be my favorite song ive ever written 🪄 #newmusic ♬ Bewitched – laufey

菅(Z世代):じつはTikTokはやったことなくて、なんでこの企画に登壇しているんだという感じかもしれませんね。私自身、音楽が好きでTikTokやSNSを経由せずに楽曲に出会うことが多いんですが、自分の好きなニッチな曲が最近めっちゃ有名になってるなって思ったらTioTokでバズってて……みたいな現象が増えている印象です。それまでコアでカルトだったものが、色々な人が聞ける環境になったんだなと実感しています。それ自体は良くも悪くも、という側面があるかもしれません。対象が限られていると一種のコミュニティ観やプライドとして「私は分かってるんだ」みたいな感情が生まれますが、TikTokで流行ってしまうと、ちょっと複雑な気持ちにはなります(笑)。

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TikTokはZ世代と音楽の関係性をどう変えたと思う?

続いては、やや抽象度が高い「Z世代と音楽の関係性」についてうかがいました。TikTok以前と以後で、どのように音楽との出会い方や触れ合い方が変化しているのか、ぜひみなさんも一緒に考えてみてください。

田巻さん(M世代):国境については、洋楽だけでなくアジアなどの音楽まで幅広くインプットできるっていうのはこれまでもたくさん語られてきていることかと思います。時代についてはいわゆる“リバイバル”で、たとえば奥田民生さんの「さすらい」が全身ダンスで人気が出たり、槇原敬之さんの楽曲が「槇原ドリル」というハッシュタグとともにバズったりと、新曲ではなくても広がっていく可能性を秘めているなと感じます。これまでのマスマーケティングだけをやっていたらZ世代に届かなかったであろう楽曲も、TikTokのアルゴリズムやプラスαのダンスなどが加わることでリバイバルするのが面白い変化だなと感じています。

@5446thave 恋してますか?😽#5446thave #544 #ファイブフォーフォーシックスアベニュー #ゴシシ #makiharadrill #踊ってみた dc/ @奇妙な人 ♬ もう恋なんてしない (槇原ドリルRemix) – CHOBO CURRY

高田(Z世代):「音楽との出会い方が無限大」と書かせてもらったんですが、私が小学生の頃はMTVを見てUSトップ20などのMVランキングで新しい音楽やアーティストと出会っていたんですけど、今はTikTokの投稿BGMはもちろんですし、音楽を紹介するアカウントや街ゆく人にインタビューしておすすめのアーティストを教えてもらうアカウントなどもあったりするので、そこで気になった楽曲を調べていくというパターンもあります。今まではランキングなどからしか知ることができなかったものが、TikTokをきっかけに “人”やそのアーティストの“中身”から知っていくことができるようになり、色々な角度から音楽に出会えるようになった印象です。

菅(Z世代):「音楽と若者をつなぐ“ハブ”の役割の変遷」と書かせてもらいました。音楽だけではなくカルチャー全体を創出していく場がデジタルに移っていくなかで、1つの落ち着いた場所がTikTokなのかなと感じています。昔であればファッションやそれこそ若者の思想が形成されていく場としてライブハウスやレコードショップの“人”が起点になっていた部分があると思いますが、それらがハッシュタグやAIを駆使したデジタルに移っていくなかで、TikTokがあるのかなと。入り口という意味では良い側面もありますし、トレンドが早く切り替えが激しいので難しいですよね。これについては音楽だけというより、カルチャーのデジタル消費全般に言えることかもしれません。

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NEW STANDARDでは現在、ソニーミュージック ソーシャルクリエイターズレーベルBeとともに「ブランド認知バズを起こすコミュニケーションパッケージ」を展開しています。

本パッケージは、Z世代を起点として「ブランド/商品名」を含む、消費者からの自主的な投稿をTikTok上で促すパッケージです。

詳しくは下記よりお問い合わせください。

参照:NEW STANDARDとソニーミュージック ソーシャルクリエイターズレーベルBeが「ブランド認知バズを起こすコミュニケーションパッケージ」 をリリース


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