「GLOBAL CREATIVE REPORT」をリリースした理由

2020/03/02
ニュースタ!編集部

NEW STANDARDは、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観をまとめたレポート「GLOBAL CREATIVE REPORT」の企業向け販売を開始しました。

「GLOBAL CREATIVE REPORT」は、国内のメディアやSNSで話題になる前の世界最先端のトピックを、セミナー形式の勉強会とワークショップを通じて、事業やプロジェクトですぐに活かせる知見にしてお届けするものです。
事業開発から、SDGs文脈を理解したブランドパーパスの策定やコミュニケーションコンセプトの開発まで、主に新しい市場開拓を目的にしたプロジェクトで、様々なクライアントから支持いただいております。

・レポート「GLOBAL CREATIVE REPORT」送付(月1回)
・セミナー形式勉強会(月1回/1時間)
・ワークショップ(月1回/1時間)

もはやSDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観はグロース・スタンダードであり「日本社会や自社とは関係ない」ものではありません。その視点をもちながら、NEW STANDARDに所属する多国籍なメンバーが、情報を自社事業に活用する点までサポートしていきます。この度、「GLOBAL CREATIVE REPORT」をリリースした背景を、代表の久志尚太郎と、リサーチャーのYan Yushuが語ります。

グローバル・スタンダードと
日本社会の乖離

──「GLOBAL CREATIVE REPORT」(以下、GCR)が必要とされる背景には、どのような変化があるのでしょうか?

久志:いま世界には、新しい基準や価値観から生まれたイノベーションやムーブメントが溢れています。2020年は、2015年のSDGs策定から5年が経ち、世界の方向性を指し示すアジェンダが時代のアイデンティティとして、本格的に日本の社会に、そして私たちの暮らしに浸透してきます。まずは、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた世界の新しい基準や価値観、つまりグローバル・スタンダードを理解することが重要だと考えているんです。

──その具体的な変化とは何でしょうか?

久志:たとえば、昆虫食はこれまでゲテモノ扱いされてきましたが、SDGsを達成するための具体的な可能性として位置づけられています。今では無印良品がコオロギせんべいを2020年春から発売を計画したり、渋谷PARCOの地下一階に昆虫を提供するレストランがオープンしたりと、まさに過去オルタナティヴだったことが徐々に時代の中心になっています。私たちは『TABI LABO』を通じて、2014年からその変化を伝えてきたのですが、時代の大きな流れがついに私たちの生活まで浸透している。けれども、企業のなかにはそれが伝わっていないことを課題に感じていました。

このまま日本独自のルールの中で生き続けるのか、それともグローバルの潮流に基づいて世界の変革の担い手になるのか。それは、2020年以降の日本の重要なテーマだと考えています。

──社会で共有するべきアジェンダが見えにくくなっている?

久志:社会の中で共有される文脈や誰しもが同じくもっている価値観がなくなったのは、良くも悪くもインターネットの登場以降ですよね。デジタルテクノロジーが進化することで情報の非対称性がなくなると考えられてきましたが、アルゴリズムによって人々がフィルターバブルの中に閉じ込められてしまった。「まわりで起きていること」は知っているけれども、「世界で起きていること」は知らない状態になっている。当たり前ですけれど、友人関係だけが世界ではない。そうしたグローバル・スタンダードとの乖離に気づいてもらうための手段が、GCRなんです。

──企業のなかでも情報格差が生まれているのでしょうか。

久志:企業内の視点に立てば、特に50歳以上の決定権を握っている層を中心に、世界の基準や価値観が変わったことが情報として入っていないこと。若年層の中に消費者としてその動きを理解してる人がいても、会社として共有する文化や空気感がないことが挙げられます。なので、GCRで具体的な事例を通じて社内に「共通言語」をつくってあげるのが大事なミッションなのかなと。

──企業がグローバル・スタンダードに追いつけていないわけですね。

Yan:そうですね。たとえば、日本企業がつくる製品や技術が素晴らしくても、世界市場で戦う上では、コミュニケーションに問題が生じると考えています。
私が担当している、あるメーカーも製品は素晴らしいのに、今のミレニアル/Z世代の価値観を理解していないばかりに、社会文脈が抜け落ちてしまっている。同じ言語で語りかけないと、届かないんです。

『TABI LABO』での
継続的な発信により
新しい価値観が生まれる
コンテキストを伝えられる

──GCRをリリースする前にも、世界の潮流をまとめた社内勉強会を開催していたんですよね?

Yan:『TABI LABO』編集部では、世界のミレニアル/Z世代に関する情報収集を常にしていますが、他部署のメンバーとの共通認識を作りあげる機会が少なくなっていました。そこで、約1年半前からそれらの「世界の潮流」を社内に共有する勉強会を始めたんです。営業のメンバーがクライアントにその情報をもっていくと、興味を持ってくれる方も出てきたようで、きちんとレポートやワークショップを通じて提供することにしました。

久志:それに加えて、『TABI LABO』を運営していても、すべての情報を記事化するわけではなく、紹介しないものも含めて自分たちの資産だったんです。社内向けに提供していたそれを、顧客に提供しはじめたわけです。

──『TABI LABO』を運営していたことは、かなり強みになっていそうです。

久志:6年間毎日、世界中で生まれている新しい価値観や動きなどの情報を収集し、読者に届くように文脈や背景を添えて発信してきました。なので、それらが日本に浸透するまでの流れや、逆に文化の特性を理解した上で浸透しない理由が説明できるのは強みかと思います。

Yan:レポート&ワークショップを体験してくれた企業の方にも「それは、ただ若い世代に流行っているだけじゃないの?」と言われるのですが、そうではないんです。先ほどの昆虫食ひとつを取り上げても、人口増に伴う食糧危機に備え、栄養価の高い昆虫食が注目されたり、牛のゲップによるCO2排出を抑えるために培養肉や昆虫食が注目されたりと、社会課題に接続している。そうした背景に基づいた価値観の変革を理解してもらうことが重要なんです。

久志:だからこそ、キーワードはSDGsやミレニアルズ。マーケティング観点でいうとCX(Customer Experience:顧客体験)やOMO(Online Merges with Offline)の文脈で説明しています。
例えばOMOを多面的に理解してもらうために、ホテルやD2C、小売業などの個別トピックを紹介する。世界で起きている最先端の基準や価値観を多面的に理解してもらうために、毎月のテーマを選定しています。こうした入り口があると、弊社の提案内容の文脈も理解していただきやすく、NEW STANDARDとクライアントの共通言語づくりにもなっているんです。

これからも、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた新しい基準で価値を捉え直し、新しいマーケットを生みだすお手伝いができればと考えています。

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