2020年代の新しい基準で捉え直す vol.4

2020/12/09
ニュースタ!編集部

2020年代の新しい基準や価値観で従来の価値を捉え直す──。そんなテーマでスタートした本連載。第3回目では、ビールやオフィス、無地Tシャツなどの価値のアップデートを紹介しました。

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)策定から5年が経ち、世界の方向性を指し示すアジェンダが、日本の社会に、企業やブランドのコミュニケーションを通して私たちの暮らしまで、浸透し始めています。

また、新型コロナウイルスに伴う感染症「COVID-19」によって、私たちが生きる社会は大きな変化を迎えることになります。その世界において重要なのは、いま現在、世界中で生まれている新しい基準や価値観をまずは理解すること。そして、既にある価値を変えようとするのではなく、新しい基準や価値観で従来の価値を捉え直すフレームワークが鍵になると考えています。

今回は、ゼロ・ウェイトから音楽イベントの未来まで、2020年代の価値観を紐解いていきます。

ゼロ・ウェイストとは、ごみをゼロにすることを目標にして廃棄物を減らす環境社会政策を意味します。出てきた廃棄物の処理方法ではなく、「そもそもごみを生み出さないためにはどうすればいいのか?」を考えるアプローチです。日本ではじめて「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県上勝町には、「上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY・ワイ)」という環境複合施設がオープンしています。

施設のひとつであるゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」では、上勝町の豊かな自然を感じながら、環境について学び、考える機会を、さまざまなプログラムを通して提供しています。滞在者が体験することで、ゼロ・ウェイストの考え方がより身近なものに変わっていくでしょう。

<関連記事>
▶︎ホテル予約スタート!「ゼロ・ウェイスト」を学び、体験できる複合施設が4/25誕生 (TABI LABO)



ファッション業界において、「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉はいい意味でも、悪い意味でも注目されています。「グリーンウォッシュ」という言葉に代表されるように、それがマーケティングツールとして利用されることがあるからです。

2019年5月に行われたコペンハーゲン・ファッションサミットでヴァネッサ・フリードマンは〈サステナビリティ〉を〈レスポンシビリティ〉へと言い換えるように提案したのだという。

大量廃棄や二酸化炭素の排出といったファッション業界が抱える課題に対して、そのブランドはどのようなアプローチをしているのか、消費者一人ひとりの判断も重要になっていきそうです。

<関連記事>
▶︎年間500万トンの「廃棄残布」を再利用。この「最新ウェア」が欲しい!(TABI LABO)
▶︎空虚な〈サステナビリティ〉、あるいはファッション業界の無責任(i-D)


新型コロナウイルス感染症によりリモートワークが推進されるなかで、仕事におけるコミュニケーションも変化を求められています。
NEW STANDARDの組織づくりを支援してくれている長尾彰さんは、「Mugendai」のインタビュー “withコロナ時代のチームビルディング――今、リーダーは何をすべきか?”にて、次のように語っています。

「けれど、リモートで働く場合は、常に「同期」のタイミングを意識する必要があります。これまでは現場でちょっとした合間に二言三言会話を交わせば、仕事の進捗は把握できる、すなわち「同期」できていました。それがリモートワークでは、今、誰が、何の仕事をしていて、どのような状況にあるのかということが把握しづらいのです。なので、クラウド上の共同編集シートなどの「非同期」のツールを使って、なんとか「同期」している状況です。あるいはオンライン会議システムなどを常時接続して、「同期」し続けるという方法もありますが、それだと監視されているような感じがして、それぞれが集中して進めるべき「非同期」での仕事が難しくなる。実際に顔を合わせる現場では無意識のうちに確立できていた「同期」と「非同期」の絶妙なバランスを、リモートワークにおいてはどう構築するかということが、今、非常に大事なことなのだと感じています。」

長尾さんはオンラインにおける雑談や、仕事の見える化の方法についても、インタビューでは回答しています。当社も試行錯誤を続けている最中ですが、「同期」と「非同期」のバランスは、つねに持っておきたい視点になるでしょう。

<関連記事>
▶︎ウィズコロナ時代の新しい納会のかたち「OMO型納会」(ニュースタ!)


新型コロナウイルス感染症により国境間の移動が難しくなり、音楽イベント自体も開催しづらい状況が続くなかで、音楽シーンにも変化が訪れています。国外アーティストやDJの招致を行なってきたライブハウスやクラブは方針転換を余儀なくされ、ローカルラインナップへの回帰が始まっています。その際に、インディペンデントなクラブ業界の中でも特にビジネス、利益を最優先する人物や事象を指す「ビジネス・テクノ」という言葉も登場しています。

ローカルラインナップに回帰することで、東京やアムステルダム、ベルリンといった各都市の音楽シーンはどのように変わっていくのでしょうか。

<参照記事>
▶︎パンデミックはローカルラインナップ回帰の火付け役となるか?(RA)
▶︎BlackLivesMatter と人種差別問題の理解を深めるために: 「ビジネス・テクノ」の問題(翻訳)(浅沼優子氏, note )

メンタルヘルスを整えるべく、マインドフルネスや瞑想のためのアプリ「Calm」や「Headspace」などが注目を集めていますが、日本では「入浴」に注目したアプリが登場しました。入浴に関しては、日々のルーティンとして捉えられていた側面も大きいと思いますが、「Onsen*(オンセン)」はオリジナルの入浴レシピや、環境音+便利な入浴タイマー、専用の入浴剤などの提供を通じて、入浴を「睡眠への導入として心身を整えるもの」として位置づけてくれます。コロナ禍以降、メンタルヘルスや身体の不調を訴える方が増えるなかで、日々の生活のルーティンから心身を整える動きは進んでいきそうです。

<関連記事>
▶︎睡眠や身体のお悩みを解決する、医師監修の入浴アプリ「Onsen*(オンセン)」のiOS版を正式リリース(PR TIMES)

NEW STANDARDでは、新しい基準や価値観で従来の価値を捉え直すフレームワークを活用しながら、社会のさまざまなトレンドの裏側にある変化を考察していきます。次回も、ぜひご期待ください。

ニュースレター

毎週配信!新しい価値(イミ)創造のためのTipsや
最新のTHINK TANKレポートをお届けします。詳しくはコチラ >

このシリーズをもっと読む

NEW STANDARDロゴ

私たちは
ミレニアルズ及びZ世代のスペシャリストとして、
新しい価値(イミ)創造を
“ユーザー起点”でアジャイルに実現する、
ブランドDXカンパニーです。