NEW STANDARD社は、メディア『TABI LABO』におけるユーザーの記事の併読傾向などから得られるインサイトや、メディアやDNVB(Digitally Native Vertical Brand)事業を運営するなかで日々得ているSNS/デジタルコミュニケーションに関するトレンドなどをまとめた「NEW STANDARDリサーチ」を公開しました。
新型コロナウイルス感染症によって起きた多大なる影響にも当てはまりますが、VUCAの時代へと突入したことにより従来の計画的戦略が機能しない場面も増えてきたのではないでしょうか。「NEW STANDARDリサーチ」は、ユーザー行動から分析できるさまざまな興味関心の変化を記載しているため、こうした課題の解決に役立てることができると考えています。
併読コンテンツの変化をもとにユーザーの心理を読み解きながら分析をおこなった執行役員/統括執行責任者の野間に、「NEW STANDARDリサーチ」を始めた理由を聞きました。
『TABI LABO』のデータを活用し
ユーザーインサイトを抽出
──NEW STANDARD社では、新たに「NEW STANDARDリサーチ」を公開しましたよね。最初のレポートには、どのようなユーザーインサイトが記載されているのですか?
さまざまな切り口や視点から分析することが可能ですが、今回はその一例としてコロナ禍にあって危機意識を強く感じていたであろう方々として、2020年3月〜6月に新型コロナウイルス感染症に興味を持っていたユーザー群に着目し、そのユーザー群について時間の経過とともにどのように興味が変わっていったのかを追ってみました。その結果、7月上旬から「コロナ離れ」が加速し、10月〜12月にはたとえポジティブな文脈であったとしてもそれを想起させるコンテンツを避けるようになっていることが明らかになりました。
また、他の切り口からみても、たとえば「ラーメン」に興味を持つユーザー群は同テーマの記事を読み終えた後、2020年1月〜5月は「おうち時間の充実」に関する記事を併読する傾向にありましたが、2020年11月〜2021年1月はやはりコロナ禍から離れて外食やテイクアウトといった「グルメ」に関する情報収集をしていることが分かりました。
「NEW STANDARDリサーチ」では、このようなユーザーの興味関心の変化を記載しています。
──ユーザーインサイトはどのように抽出したのですか?
NEW STANDARD社独自のインサイトツールを使用し、大きく分けて「あるユーザー群の興味が時系列でどのように変化しているか?」と「あるトピックに対する併読コンテンツがどのように変化しているか?」という2つの方法で、それぞれの傾向を分析しました。
──初回の「NEW STANDARDリサーチ」で記載したインサイトの変化で、特に印象に残っていることはなんでしょうか?
新型コロナウイルス感染症やラーメンに対する捉え方の変化に「あの頃(Beforeコロナ)に戻りたい」という気持ちが働いている一方で「コロナ禍の中で新しい価値観を得られた」と変化を受け入れる傾向もみられました。
たとえばギフトは、華やかさを重視した“贈る”ものだと捉えられていましたが、現在は楽しさや癒しを届け“使ってもらう”ものに変わってきていることが読み取れます。新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式に適応するなかで生まれた価値観の変化と言えるでしょう。
今回得られた示唆は、コロナ禍にあってユーザーの興味関心が特定方向に偏っているわけではなく、このようなふたつの価値観が混在し始めていることです。これは変化として顕著になってきているのではないでしょうか。
私たちにしか提供できない
ユーザー起点のインサイト
──「NEW STANDARDリサーチ」をスタートした理由を教えていただけますか?
私たちNEW STANDARDは、『TABI LABO』などを通じて日々多くのクリエイティブコンテンツをユーザーに直接届けています。広告記事を除き、企画と制作を行なう記事が毎月300本以上も公開されています。
さらに、『TABI LABO』は幅広いジャンルのコンテンツを扱い、多様なユーザーが訪れるメディアです。そのため、多様な切り口からユーザーインサイトを抽出できると考えています。
このように、「私たちNEW STANDARDだからこそ得られるユーザーインサイトをもっと分かりやすく伝えられたら、クライアントの課題解決に役立つのではないか?」という考えから「NEW STANDARDリサーチ」を公開することになりました。
──対象とされている企業について教えてください。
ユーザーの興味関心の「変化」を機会として捉えたい企業のみなさまにとって、有意義な示唆を感じていただけると思います。一方で、インサイトを捉えるという性質上、ユーザーの状態を「統計的」に捉えることには適しておりません。
──その情報を知ることで、どのように事業に役立てられるのでしょうか?
今般のコロナ禍もそうですが、数年前から「VUCAの時代」と呼ばれていますよね。従来型の“会社起点の計画的戦略”がなかなか機能しない場面も多いものと思われます。そのような状況下にあって、NSリサーチのような“ユーザー起点の創発性”を取り込むことは、企業にとってさまざまなレイヤーや局面での現状打破に活用いただけるはずです。
──今後の「NEW STANDARDリサーチ」では、どのような内容を取り上げていく予定ですか?
「コロナ禍の中で登場する新しい価値観」にフォーカスしてきたいですね。
また、私たちの生活環境・デジタル環境が激変するなかでSNS/プラットフォーマーも様々な取り組みを進めているので、メディアやDNVB事業を運営するなかでここにもしっかりアンテナを張って情報収集に努めていきます。
NSリサーチに関する問い合わせは、下記によろしくお願いいたします。
営業担当 藤戸(shiho.fujito@new-standard.co.jp)