いまニュースタンダードが注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。第1回でご紹介するニュースタンダードキーワードは「Y3K」。2022年に注目を集めた「Y2K(Year 2000)」と連動するように、いま新たに注目されているのが「Y3K」。中国版Instagramと呼ばれるSNS「小紅書(RED)」を中心に盛り上がっている背景や、美容・メイク・ファッションの観点からZ世代の次世代キーワードとしてピックアップします。
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「Y3K」とは
「Y3K」は「Year 3000」の略で、3000年代の未来をイメージした世界観のファッションやメイクトレンドを指します。現在普及している“AI”や“メタバース”からの影響を受けており、現実と仮想のファンタジーを融合させた世界観や美学が特徴です。
「Y3K」の具体的な事例
Kpopアイドル「aespa」(エスパ)に見る、完成された「Y3K」美意識
「Y3K」を象徴するアーティストとして挙げられるのが、 2020年に韓国の大手事務所「SM ENTERTAINMENT」からデビューしたガールズグループ「aespa(エスパ)」。“自分のもう一つの自我であるアバターと出会い、新しい世界を経験する”というユニークなコンセプトで活動しているアーティストです。
3000年代風のフューチャリスティックなメイクに、メタリックやラメ素材、ネオンカラーなどを取り入れた未来的ファッションが特徴的な「Y3K」のビジュアルで人気を集めています。グループ名の「aespa」は「æ(Avatar X Experience)」+「aspect(両面)」という言葉の組み合わせで、未来と現実の要素を巧みに融合して仮想世界のアバターと別世界を経験するという意味が込められています。
MVでは、彼女たちと別の自我を持つアバターとの関係性や、未来と現実の要素を巧みに融合した映画のように壮大なスケールの世界観、ユニークで中毒性のある楽曲も注目を集めています。
また、 UN(国連)2022 持続可能な開発に関する「ハイレベル政治フォーラム(High Level Political Forum for sustainable development、HLPE)」では、未来世代を代表するグローバルスピーカーにも選ばれ話題になりました。
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中国版Instagram「小紅書(RED)」で増加、SNSに見る「Y3K」トレンド
Z世代を中心に日本国内でもユーザーが急増している中国版Instagram「小紅書(RED)」では、「Y3K」に関連するメイクやファッションである「未来感」「AIモデリングメイク(AI建模妆)」、ゲーム世界をイメージした「E-girl(Electronic Girl)メイク」などの投稿が数多くあげられています。
SF映画やゲーム、アニメの主人公やアバターのような近未来っぽさを演出するのが「Y3K」を取り入れるカギです。
2022年に注目を集めた「#Y2K」のInstagramハッシュタグボリュームは390万件超えとなっていますが、対して「#Y3K」は、Instagram2,500件、「TikTok」4万2,000件に留まっています。(2022年12月7日時点)。日本ではまだ普及中である「Y3K」ですが、ネクストムーブメントになっていくのではないでしょうか。
「Y3K」3つの注目ポイントまとめ
1. メタバース・AIの普及は、Z世代のファッションやメイクにも影響している
2. 中国・韓国・タイなどのアジア圏からトレンドが発信されている
3. インスタの#ボリュームだけでグローバルトレンドを追うのは難しい
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