ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。第9回でご紹介するキーワードは「ヴァルネラビリティ(vulnerability)」。VUCA社会を生き抜くZ世代にとって、メンタルヘルスケアへの注目度がますます高まっています。その一貫として、誰もが持っている自身の“弱さ”「ヴァルネラビリティ」を受け入れることの重要性についてご紹介したいと思います。「ヴァルネラビリティ」を意識することで、どのようなメンタル変化が起きるのか、紐解いていきましょう。
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「ヴァルネラビリティ」とは
「弱さ、脆弱性」という意味。パソコンやプログラミング用語として使われることもありますが、セルフケア文脈においては、自分自身に対する弱みや傷つきやすさを指します。
「ヴァルネラビリティ」の具体的な事例
書籍『スタンフォード式生き抜く力』では、自分自身の「ヴァルネラビリティ」を認識することで自己理解を深め、「ヴァルネラビリティ」と向き合うことが自己成長に繋がると紹介されています。
>>「ヴァルネラビリティに秘められたパワー」
非営利団体「TED Conferences LLC」が主催する世界的なカンファレンス「TED」で「The power of vulnerability(ザ・パワー・オブ・ヴァルネラビリティ)」というタイトルの講演がありました。この講演は研究者・作家のブレネー・ブラウンによって行われたもので、人々が「ヴァルネラビリティ」を認め、共有することがどのような力を与えるのかを説明しています。
ブラウン氏は、彼女が行った研究を通して、人々が真のつながりを持ち、幸福を感じるためには、「ヴァルネラビリティ」を認める必要があるという結論に至りました。それは、自分自身が完璧ではないことを認め、自分自身を開示することで、他の人々とのつながりを深め、共感することができるから、と話します。
しかし、「ヴァルネラビリティ」を認めるには勇気が必要です。自分が完璧でないことを認めることによって、自分自身を否定されるかもしれないという恐怖心が生まれるからです。しかし実際には、「ヴァルネラビリティ」を認めることが強さや自信に繋がり、人々をより幸福に導くのだと主張しています。
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>>「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、視覚障害者の体験を共有することを目的とした、暗闇の中での体験型展示イベントです。完全な暗闇の中で視覚を使わずに、身の回りの日常生活を体験し、自分自身の「ヴァルネラビリティ」を通じて他者とのつながりや共感を深めることができます。この状況下では、視覚以外の感覚を駆使して自分自身をナビゲートする必要があり、自分自身の「ヴァルネラビリティ」に直面しながら、ガイドや他の参加者と協力して新しい環境に適応する必要があります。
「ヴァルネラビリティ」3つの注目ポイントまとめ
1. 他者も自身も「ヴァルネラビリティ」を認識していくことで、人々とのつながりを深めることができる
2. 個人だけではなく、社会全体としても「ヴァルネラビリティ」を受け入れていく必要がある
3. 「ヴァルネラビリティ」を自己認識し受け入れることで、ありのままの自分にも自信が持てるようになる
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