Dupe Cultureとは？意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説 |ニュースタンダードキーワード!!

Dupe Culture（デュープカルチャー）とは？意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説 |ニュースタンダードキーワード!!

2024/02/20

ニュースタ！編集部

新しい基準・価値観

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。新しい価値（イミ）を象徴するキーワードの意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説します。
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Dupe Culture（デュープカルチャー）とは

Dupe（デュープ）または Dupes（デュープス）は、「複製する」という意味の Duplicate（デュプリケイト）の略語で、Z世代にとっては、高価なブランドアイテムの安価な代替品を意味します。

ファッションから化粧品、日用品まで、人気のブランドアイテムによく似たデザインの Dupes をより安い価格で見つけ購入することは、倹約のための賢い代替手段と見なされ、優れたDupes をレビューしてコンテンツ化することなどを楽しむ「Dupe Culture」がトレンドに。TikTokでハッシュタグ #dupe は69億回以上、#dupes は40億回以上閲覧されています（2024年2月現在）。

#dupe

Z世代の「Dupe Culture」にブランドはどう対応すべきか？

Z世代は、違法な偽造品をだまされて購入しているわけではありません。倫理的な問題意識がないわけではありませんが、物価高騰の中で、憧れのブランド品によく似たDupesを魅力的な選択肢と考え、彼らなりの自己表現を限られた予算内で楽しんでいるのです。

Nielsen IQが2023年11月に発表したレポート「Beauty dupes: friend or foe?」によると、Dupe Culture はむしろ美容カテゴリの成長に貢献しており、Dupeしたブランドは42.1％、Dupeされたブランドは53.5％売上が増加。手頃な価格のDupesはニッチ商品の入口としての機能を果たしており、Dupeされることはブランドにもメリットをもたらすとも考えられます。

Nielsen IQ「Beauty dupes: friend or foe?」（2023年11月）より

Lululemon（ルルレモン）：Dupe Swap

Lululemonの代名詞であるレギンスに、見た目はそっくり・価格は半額以下の #lululemondupes がTikTokでトレンド化したことを受け、2023年5月にロサンゼルスのショッピングモールで開催されたのがイベント「Dupe Swap」です。

ユーザーが持参した #lululemondupes と本物の人気商品を無料で交換するこのイベントでは、手頃な価格を理由に Dupes を購入したユーザーに、本物の品質を認識できる体験を提供しました。Dupe Culture の本質を見極め、Z世代の価値観から生まれたトレンドが持つ楽しさを損なわずにブランドロイヤルティを向上させた大胆な事例として称賛を浴びています。

Magnum（マグナム）：STICK TO THE ORIGINAL

Dupe Cultureは化粧品やファッションだけでなく、食品にも及んでいます。アイスクリームブランドのMagnumの新キャンペーン動画「Stick to the original」は、メロドラマ仕立ての作品。主人公の女性はパートナーが購入した Fake Magnumをきっかけに、彼のすべてが偽物であったことに気づき関係が崩壊していく様子をユーモラスに描きます。

1989年の創業以来、プレミアムなポジションを築くMagnumが広告にユーモアを取り入れるのはこれが初めてだといい、Dupe Cultureを知的な笑いで一蹴しながら、ブランド価値をユーザーに再認識させています。

Expedia（エクスペディア）：Destination Dupes

Expediaが発表した2024年の旅行トレンド「Unpack’24」のキーワードのひとつが「Destination Dupes」（そっくり観光地）です。実際に「Destination Dupes」への旅行経験について、8割が「経験あり」、もしくは「経験はないが、してみたい」と回答しているとのこと。

人気の観光地は宿泊費や渡航費が高騰する傾向があります。「Destination Dupes」は、旅行者が新たな発見を求める中で、予算を抑えながらも、人気の観光地と同じくらい充実した旅行体験を実現でき、魅力的な選択肢となることが期待されています。