ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。新しい価値(イミ)を象徴するキーワードの意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説します。
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おすすめの商品を紹介するコンテンツやインフルエンサーで溢れかえっているSNS上で、逆に「買わないほうがいいもの」や「おすすめしないもの」などをシェアするインフルエンサーが増えているのをご存知ですか?新たなトレンド「デ・インフルエンシング」を紐解いていきます。
「デ・インフルエンシング(de-influencing)」とは
直訳すると、「影響力の除去」という意味。広告だらけで飽和状態になっている市場に対して、買う必要のない商品を発信するムーブメント。
このトレンドはTikTokが発信源で、「#deinfluencing」というハッシュタグは、これまで累計6億回以上も再生されています。
「デ・インフルエンシング」の具体的な事例
>> デ・インフルエンサー
アメリカを中心に展開している人気コスメショップ「セフォラ(SEPHORA)」の元店員が、「このコスメは買わなくていいわよ」と視聴者に共有するものや、ウェディングに詳しい人が自分の体験談を交えて「ウェディング予算カットのためのデ・インフルエンシング」など、投稿の種類は様々。
@minimaldesignsbyhan Replying to @estein_ you guys asked, so for all my budget brides out there, this is for you! #weddingbudgethack #weddingbudgettips #weddingbudgetplanner #minimalistwedding #modernwedding #weddingtrends2023 #2023bridetobe #2023weddingtrends #2024bridetobe #2024wedding #deinfluence #deinfluencer ♬ original sound – Hannah Swagger
SNS上で拡散される情報や、一時のトレンドなどが積み重なり、実際の価値よりも高く評価されていた商品やサービスがデ・インフルエンシングによって浮き彫りになり始めています。
そこで、必要以上にオーバーハイプ(盛り上がりすぎ)していたものを鎮静させ、消費者を平常心に戻すためのリアルな口コミが視聴者の心を掴んでいます。インフルエンサー自身も本音でレビューすることで信憑性を獲得できるという側面もあるようですが、コンテンツが溢れかえっているSNS上で、消費者が購入する際の判断軸をもてるようになることが最大のメリットと言えるでしょう。
こうしたデ・インフルエンシングには、「必要のないものにお金を投資したくない」という、ミレニアルズやZ世代の価値観が反映されています。
現時点では美容系やライフスタイル系のデ・インフルエンシングが多いですが、近年注目されている「エシカル」などの観点も交えて、ファストファッションや重労働に対する投稿も増えていくのではないかと言われています。
「デ・インフルエンシング」は過剰消費に対して批判するものですが、買う必要のない商品を紹介した後に、代わりになる商品を紹介するといった新たなPRとしての側面も。結果的に新たな消費を促してしまうと批判する人たちもいます。
「デ・インフルエンシング」3つの注目ポイントまとめ
1. インフルエンサーマーケティング市場は飽和状態に
2. インフルエンサーがSNS上で、オープンに主張できるようになっている
3. “おすすめしない” という「デ・インフルエンシング」は、 新たなインフルエンシングのかたちに
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ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」による、世界中で今生まれている新しい基準や価値観をまとめた四半期レポートは、以下から無料でダウンロードいただけます。
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