NEW STANDARD THINK TANKでは、Z世代リサーチャーが世界中のミレニアルズやZ世代から生まれる新しい価値観やトレンドを日々収集・分析し、定期レポートとして発信しています!
「若年層のトレンドや消費行動への理解が不十分」と感じる方や、「創造的な手法で若年層市場、特にZ世代にアプローチしたい」という方に向けて、NEW STANDARD THINK TANKの定例ミーティングの様子を大公開。話題の事象についてZ世代のインサイトを堀り下げながら、新しい意味(価値)を共に考えるブレスト会議の様子をぜひ、のぞき見していってください。
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ハイネケンの「The Boring Mode」は、ニューレトロな“デジタルソバー”体験で、アルコール離れの若者に飲みニケーションの価値(イミ)を再発見させる
のん・Z世代:皆さ〜ん!この新着リリース超注目です🤭 ビールブランドの「ハイネケン」が、スマホ上のSNSやメッセージ、通知機能をブロックできるアプリ「The Boring Mode」を開発したみたいです!
参照:ハイネケンが「リアルが充実する」アプリを開発 「世界一退屈なスマホ”The Boring Mode”」でスマホがガラケーに?!10月23日より完全無料でアジア初 ローンチ!(PR TIMES)
なるみ・X世代:なにこれ、最高🔥 以前トレンドレポートでも紹介したように、ハイネケンは今春、“つまらなさ”が売りのダムフォン(ガラケー)「The Boring Phone」を発表していたんだよね。SNS疲れやデジタルデトックスを背景にZ世代の間で流行している「ダムフォン」に着目し、コミュニケーションの場でもスマホを手放せない若者に、トレンドの「ノスタルジー」文脈を掛け合わせた新しいデジタルデトックス体験を提供することで、リアルな場への興味を取り戻そうという画期的な施策!
参照:「体験型マーケティング」における、新しい価値(イミ)とは?(ニュースタ)
参照:ハイネケンが作る「退屈な携帯」が深すぎた(TABI LABO)
ももか・Z世代:今回のキャンペーンは、その続編というわけか!前回の「The Boring Phone」は数量限定配布の超レアものだったけれど、アプリになったことで、スマホがあれば誰でも「The Boring Mode(退屈モード)」にできるんですね🥹
のん・Z世代:早速インストールしてみましたが、いたるところにユーモア溢れる仕掛けが!ガラケー風のUIでレトロな写真を撮れる機能もあり、ノスタルジー好きのZ世代にはたまらない仕様になってます😍 スマホ自体にも同様の機能は元々あるけれど、このアプリはより楽しみながら“デジタルソバー”できそう😙
しらふになりたい、癒されたい。2025年、注目すべきZ世代文脈は「Sober(ソバー)」だ!
Kenken・M世代:そうそう、今出てきた「ソバー」という言葉、シンクタンクチームの間で最近特に注目しているキーワードですね👀
のん・Z世代:「Sober(ソバー/ソーバー)」とはもともと英語で「酔っていないしらふの状態」をさす言葉で、アルコールを意図的に控える選択「ソバーキュリアス」は、数年前に注目されて以来、国内外を問わず広く浸透していますよね。しかし実はいま、“Sober”は「あるものから距離を置いて冷静になる」という文脈で、お酒の場以外にも広がりはじめているんです。
なるみ・X世代:「Sober」が生まれる背景には、昨今のSNSにおけるトレンドの「両極化」があると考えています。たとえば昨年、人に見せびらかさない上品な贅沢を好む「クワイエット・ラグジュアリー」が一大トレンドとなった一方、今年は声を大にして自分の節約目標を宣言する「ラウド・バジェッティング」がTikTokでバズを生みました。他にも、ルーズで大胆な自分を表現する「brat(ブラット)」が今夏に流行したのち、秋になると今度は品の良い控えめな自分を強調する「demure(デミュア)」が人気を集めるなど、一見大きく相反するトレンドが多く見られましたね。
ももか・Z世代:極端なトレンドが次々と生まれては消えていった2024年ですが、2025年は、そうした目まぐるしいトレンドから一旦距離を置き、何からも影響を受けないシラフ(Sober)の状態になることで、あらためて「自分らしい選択」を模索していく年になるのではと予想しています🤔
のん・Z世代:お酒の場以外でみられる「Sober」現象の例としては、代表的なものが「Boysober(ボーイソバー)」。恋愛において近年クイックなマッチングや出会いが増えるなか、それらを通じた望ましくないデート習慣を断ち切り、あらゆる恋愛を一旦やめてみることで、心地よい人間関係のあり方を見つめ直すトレンドとしてSNSの間で広まっています。
参照:Boysober(ボーイソバー)とは?意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説 |(ニュースタ!)
ももか・Z世代:また、消費の面での「Sober」は、最近話題の「アンダーコンサンプション(過小消費)コア」トレンドにも見られます。ソーシャルメディアにおける過剰消費から距離を置き(Sober)、消費習慣を見直して必要最小限の物で心地よく暮らすライフスタイルとして若者の支持を集めていますね。
なるみ・X世代:先ほど出てきたように、デジタルでも「Sober」の傾向は顕著ですよね。アクセンチュアの最新レポートによれば、Z世代の67%がオンラインで過ごす時間を減らしたいと考えており、オンライン上の膨大なコンテンツやコミュニケーションによるデジタル疲れから距離を置いて、「シラフ」になりたいと考える若者はますます増えているようです。
のん・Z世代:「Sober」を日本の感覚でたとえるなら、最近話題の「キャンセル界隈」に近いでしょうか。「お風呂キャンセル」「ごはんキャンセル」などの衝撃的なワードは今年SNSでも大きく注目されましたが、これまで当たり前とされていた物事や価値観を一旦拒絶することで、改めてその意味を見直そうとする姿勢は、「Sober」と共通しているかもしれませんね🤔
参照:風呂だけじゃなかった!「ごはんキャンセル界隈」とは?(ニュースタ!)
「〇〇離れ」と決めつけないで。Soberな気分のZ世代に、ブランドはどう向き合うべきか?
Kenken・M世代:こう聞くと、なんでもかんでも「Sober」なZ世代に、一体どう商品やサービスを展開していけばいいの!?と思ってしまう企業の方もいそうだけれど……(笑)
先ほどのハイネケンの事例は、まさにユーザーのアルコール離れに直面中の企業が、飲みの場をSoberしてスマホに夢中になっているZ世代に、逆にデジタルを「Sober」させる、っていう斬新な施策なんだよね。
ももか・Z世代:他にも、若者のマッチングアプリ離れ(Sober)に悩む大手アプリのTinderが、趣味を通じたローカルな出会いが増えていることに着目し、新たにランニングコミュニティを立ち上げて話題になった事例もあります。
こんなふうに、SoberなZ世代に対しても工夫次第で大きな共感を生むコミュニケーションを創出できそうです👀
参照:Tinder launches its own exercise group for singletons(Mail Online)
参照:令和女子が憧れるのは、エフォートレスで「映えないデート」?(ニュースタ!)
のん・Z世代:Z世代は「Sober」な生活の中にも、常に新たな選択肢や体験を探しているのだと思います。Z世代から広まった「ソバーキュリアス」がここ数年で浸透し、お酒を飲まない人に対する選択肢が急速に広まっていったように、デジタルや恋愛など、他のさまざまな分野でも多くの選択肢が生まれていきそうな予感!
なるみ・X世代:「若者の〇〇離れ」と決めつけてしまうと、本質が見えなくなる。「Sober」の傾向が進むからといって、若者に対して何もアプローチできないわけではなく、Z世代のインサイトを把握することで、逆に今までになかった面白い企画が捻り出せそうですね!
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