NEW STANDARDは、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観をまとめたレポート「GLOBAL CREATIVE REPORT」の企業向け販売を行なっています。毎月異なるテーマを届けるなかで、9月は「バーチャルワールド」を特集しました。
新型コロナウイルス感染症により、人々の消費やコミュニケーション体験がオンラインにシフトするなかで、いまや「メタバース」とも表現されるゲーム空間の可能性や、ソーシャルコマースの未来について考えました。同レポートの制作を担当したリサーチャーのYu-shuが、その読みドコロを語ります。
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ミレニアルズやZ世代にとっての
「バーチャルワールド」とはなにか?
ミレニアルズとZ世代はバーチャルワールドのアーリーアダプターとして、その経済を牽引する主流消費層となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大によって加速したデジタル化は「バーチャルワールド」の可能性を世界に示しました。物理的に制限されず、インターネットに無限に広がる「バーチャル空間」が主流なコミュニケーションの場となり、「バーチャル移民」という新しい雇用形態も生み出しています。
バーチャル空間を舞台に巨大なコミュニティが多数生まれ、インターネットの次の空間とも言われる世界規模のインフラ「メタバース」の構築も期待されています。そして、リアルの延長線ではなく、独自の経済圏を築き上げるバーチャル消費は様々な業界においてディスラプターとなり、アフターコロナ時代のニューノーマルになりつつあります。
Yushu Yan:これまでGLOBAL CREATIVE REPORTを通じて、OMOやCXというテーマに関して様々な事例をお伝えしてきました。その発展型に位置づけられるレポートとして、今回は「バーチャルワールド」を取り上げます。新型コロナウイルス感染症により物理的な制限が続くなか、オンラインのもつポテンシャルを探ります。
Yushu Yan:バーチャルワールドを考える際に、ソーシャルコマースなどの消費、ゲーム空間を中心としたコミュニティ、エンターテイメントの新しいあり方、AR・VRなど、さまざまなキーワードが存在します。そのなかでもユニークだと感じたのが、「メタバース」という言葉で表現されるようになったゲーム空間です。
いまゲーム空間は遊ぶための場ではなく、現実世界のミラーリングになっています。例えば、そこで結婚式をあげたり、お墓参りをしたり…いま現実世界でできないことが投影されています。
教育目的でも利用されているゲームソフト「マインクラフト」を活用して、立命館の小学六年生の子どもたちが、ゲームのなかで京都案内を考案し、実際に国外の小学校の子どもに体験してもらう取り組みを行っていました。このような動きが教育業界に浸透すれば、かなり大きなインパクトを与えると考えられます。
働き方という点でも、バーチャルワールドは大きな影響を与えます。ZOOMなどのコミュニケーションツールを利用して場所に捉われず仕事をする「バーチャル移民」が登場しました。多くの企業が働き方を見直すなかで、物理的な制限なく誰かの頭脳を利用できることは、新しいタレントプールという意味でも可能性が大幅に広がると考えています。
[事例:バーチャル消費]
バーチャルコミュニティから生まれた消費4.0、「ソーシャルコマース」とは何か?
Yushu Yan:中国では、品質重視の「消費3.0時代」から個性や価値観といった消費行為自体への付加価値を重視する「消費4.0時代」にシフトしています。
消費4.0世代では、ミレニアルズとZ世代が主流消費者となり、インターネットの普及と情報過剰な時代において消費者の「アテンション」をいかに集めるかという競争がソーシャルコマースに火を付けました。バーチャル空間で生まれた熱狂的なコミュニティがオンライン消費を牽引する火種となり、新しい消費の形や独自の経済圏が確立されています。いまやオンライン消費に対する抵抗感は消え、中国では家や車、ロケットの発射機までもがオンラインで売られています。
Yushu Yan:2020年4月1日、スマホメーカー锤子科技(Smartisan)の創業者・罗永浩氏はライブコマース・デビューしました。数多くの創業と失敗を繰り返し業界での知名度も高い彼は、初のTik Tokライブで5000万もの視聴と、23個の商品を合計1.68億元(26億円)も売り上げました。ライブ配信とEコマースを掛け合わせたソーシャルコマースは中国で急成長し、2020年の流通総額は約14.6兆円と予測されています。
「GLOBAL CREATIVE REPORT」は、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観を企業向けにまとめたレポートです。
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