最先端テクノロジーの活用により、急激に進化する「スポーツ産業」

2020/11/23
ニュースタ!編集部

NEW STANDARDは、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観をまとめたレポート「GLOBAL CREATIVE REPORT」の企業向け販売を行なっています。毎月異なるテーマを届けるなかで、11月は「スポーツ」を特集しました。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による東京2020オリンピックの開催延期もあり、いま、様々な企業やブランドがデジタル上でスポーツの生む熱狂を再現しようと、研究や開発を進めています。それと同時に、eスポーツをゲームではなく本格的なスポーツとして認識する考え方がより浸透したことで、これからの時代はミレニアルズやZ世代以外からも注目を集める可能性が高まってきました。
同レポートの制作を担当したリサーチャーYan Yushuが、その読みドコロを語ります。

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ミレニアルズやZ世代にとっての
「スポーツ」とはなにか?


健康志向の強いミレニアルズとZ世代は、他の世代よりも「フィットネス」や「ウェルネス」を重視し、スポーツをライフスタイルに取り込む傾向が強いといわれています。

テクノロジーに慣れ親しんでいる彼らは、デジタルサービスを当然のものとして使いこなし、AIやビッグデータといった技術に基づきパーソナライズされる体験を求めています。さらに、SNSを含め多種多様なアプローチを通じて能動的に情報収集を行うミレニアルズとZ世代はスポーツコンテンツの消費にも大きな影響を与えています。

そして彼らを中心に熱狂が広がる「eスポーツ」は伝統的なスポーツと肩を並べる存在となり、デジタルという土台で更なるスポーツの可能性を拡張し、独自のエコシステムで産業化しつつあります。


Yushu Yan:11月の「GLOBAL CREATIVE REPORT」は「スポーツ」を総力特集しました。今回わたしが注目したのは「パーソナライゼーションとコミュニティ」です。AIやビッグデータを活用したサービスの展開により、パーソナライズ化されたコンテンツを楽しむことが身近になってきました。

Yushu Yan:スポーツの魅力のひとつは、他人と同じ体験を共有すること。IoTの利用により離れている友だちと一緒にフィットネスをしたり、5Gを通じたリアルタイムVR観戦で会場の雰囲気を感じたり、すでに物理的距離という障壁を超えている印象です。こうしたコミュニケーションツールの進化により、コミュニティの概念は従来のものからアップデートされていくでしょう。

そして、「コミュニティ」という観点においてはeスポーツの存在も忘れてはいけません。日本におけるeスポーツは発展途中ですが、欧米やアジア諸国では熱狂的なファンを獲得していることから、NIKEやRedBullなどの大手ブランドがスポンサードを行なっています。

さらに、eスポーツを通じて人間的な成長を促進しようとしている企業が出てくるなど、これまでとは異なる価値が見出され始めています。また、次世代型のインターネット「メタバース」に一番近いと言われているのは、『フォートナイト』や『マインクラフト』です。

日本では発展途中だからこそ、まだ秘めている高い可能性に目をつけてみてはいかがでしょうか。


[事例:eスポーツの興隆]
テンセント、世界最大のeスポーツプラットフォームへ

Yushu Yan:レポートから紹介するのは、中国発の大手SNS「騰訊(テンセント)」です。彼らは「ゲームをつくる」「大会を主催する」「ゲームコンテンツの配信と周辺グッズの販売を行う」というeスポーツに関わる全てをカバーしています。

2019年のeスポーツ観客数は世界全体で4億5400万人を突破し、リーグやチームのスポンサー料を中心とする業界の売上高は11億ドル(約1,230億円)に到達。中国は2億1000万ド ル(約220億円)の収入を上げ、欧州を抜いて世界最大のeスポーツ市場となりました(ゲーム市場調査会社「Newzoo」調べ)。

ゴールドマン・サックスの推計によると、アメリカにおける観客数は2022年までに2億7600万人に達する勢いで、これはMLBを抜き、NFLと同等になる数字です。

そんななかテンセントは、観客数で世界最大級である2つのeスポーツ大会(モバイルゲーム「王者栄耀」世界大会、PCゲーム「League of Legends(LoL)」世界大会)のスポンサーを務め、オンラインで1試合につき最大8000万人を集客します。

テンセントが開催する「王者栄耀」プロリーグは、マクドナルドやフォルクスワーゲンなどの現地合弁会社が協賛しています。2017年にはモバイルゲームとして世界最高の収益を記録。Nikeは、テンセントの「LoL」プロリーグと4年間のスポンサー契約を年間750万ドル(約7億8500万円)で結んだと報じられています。

大会の主催だけではなく、「王者栄耀」を含めた人気ゲームの製作、ゲームコンテンツのストリーミングプラットフォー ムも運営しているテンセントは、eスポーツ産業における垂直 統合を実現し、独自のeスポーツエコシステムを築き始めているのです。

「GLOBAL CREATIVE REPORT」は、SDGsなどを背景にミレニアルズから生まれた、世界の新しい基準や価値観を企業向けにまとめたレポートです。
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