ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。第14回でご紹介するキーワードは「ニューラグジュアリー」。かつてのラグジュアリーといえば、高級品や豪華な家、貴族的なイベントを指すものでしたが、現在はオープンで透明性の高い世界観に根ざしたものへと進化・多様化しています。具体的な事例と共に、ラグジュアリーの定義を考え直してみましょう。
「ニューラグジュアリー」とは
従来のラグジュアリーは、少し背伸びをして高額品やサービスを利用する贅沢のスタイルを指していましたが、「ニューラグジュアリー」は、自身の生活を本質的に豊かにしてくれるモノ・コトを指します。
ラグジュアリー・スタディーズを中心に研究・執筆・講演を行われている中野香織氏が共著で書いた『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』によれば、これから求められるラグジュアリーは、「金銭的な豊かさ」から「精神的な豊かさ」へシフトしていると言われています。自分が手に届かない「モノ」を手に入れることや所有することをラグジュアリーだとするなら、自分の心理や健康に「善い」ものや他人や社会のために「善い」ことを実践すること、「意味ある」消費をすることが「ニューラグジュアリー」だと言えるでしょう。
「ニューラグジュアリー」の具体的な事例
＞＞ Makuake（マクアケ）
購買活動は事業者への応援であり、投票行為の色が強くなっています。クラウドファンディングサービス大手の「Makuake（マクアケ）」が、自社の取り組みをクラウドファンディングではなく「応援購入」と位置づけているのは、「意味ある消費」であり「ニューラグジュアリー」を表す、ひとつの事例でしょう。
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＞＞ ラグジュアリー旅行
メンタルヘルスへの関心が高くなっている今、心身を回復させるウェルビーイングな旅行を求める人が急増しています。フリーサイズの旅よりも、ウェルネスやパーパス（存在意義）を軸として組み立てる旅が増えているようです。高価・高級・贅沢といった価値以上のプライスレスなウェルビーイング体験が、現代におけるラグジュアリー旅行に必要な要素になりつつあります。
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＞＞ LIFEGENIC JOURNEY by LEXUS
モノも情報も飽和している現代に、本当の「豊かさ」を感じるものは何なのか。現在を「ラグジュアリー」の価値観が変わる端境期と捉え、人生を自分らしく豊かに彩るインスピレーションを探す旅をコンセプトに、ラグジュアリーモビリティブランドのレクサスのUX コンセプトメイキングとローンチプロモーションを行った事例。
「自分らしさ＝これからのラグジュアリー」と捉え、豪華さの消費ではなく、創造性あふれる豊かな人生をレクサスとともに探していく体験を、ブランドコンテンツとして表現したものです。
「ニューラグジュアリー」3つの注目ポイントまとめ
1. ラグジュアリーの定義は、進化・多様化している
2. これから求められるラグジュアリーは「精神的な豊かさ」
3. 自分の心が満たされている充足感が大事
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