NEW STANDARDは、東京大学大学院工学系研究科 柳澤秀吉研究室と「感性設計学を応用した意味のイノベーション」に関する研究開発を行っています。
意味のイノベーション理論は、製品やサービスの“機能”や“スペック”ではなく、それが人々の生活にどんな“意味”をもたらすか――という視点からブランドを再定義するアプローチ。生活者の価値観が多様化し、従来のマーケティングではブランドの共感を生み出しにくくなった今、クライアント企業からは「より深いインサイトと新しい価値(イミ)創造を伴うブランド変革」を求める声が高まっているからです。
その期待に応えるべく、“機能を売る”のではなく“新しい価値(イミ)を創造する”という新しいフレームワークで、NEW STANDARDはクライアント企業の皆様とブランドや事業の未来を切り拓いているのです。
意味のイノベーションとは?
「意味のイノベーション」とは、モノやサービスの存在理由そのものを再定義し、新しい意味を社会に実装することを指します。提唱者であるイタリアの経営学者ロベルト・ベルガンティが例に挙げた「ろうそく」は、その代表的なケースです。 かつて照明器具として使われていたろうそくは、電気の登場によりその機能価値を失いました。 しかし、今日のろうそくは“香りや雰囲気を楽しむもの”として再び生活に溶け込み、「安らぎ」や「癒し」といった新しい意味をまとって生まれ変わっていることがわかります。


このように、価値とは“性能”や“利便性”だけではなく、人の感性や文脈の中で再解釈される意味によって拡張されていきます。しかし、この“新しい意味”を意図的に生み出し、社会実装していくことは容易ではありません。多くの企業やクリエイターがその重要性を理解しながらも、個人のひらめきや偶然の発想に頼らざるを得ないのが実情です。
そこでNEW STANDARDは、東京大学大学院 柳澤秀吉研究室の感性設計学の知見を基盤に、共同研究を通じて意味のイノベーション理論・方法論・方法、つまりデザインプロセスの体系化に挑戦してきました。
関連論文:Innovation of meaning: design-driven study based on the interpretive theory of new meaning
関連論文:MEANING GENERATION THEORY: A BAYESIAN APPROACH TO SIGN× CONTEXT= MEANING
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そして、とても喜ばしいことですが、私たちの研究内容や社会実装の知見は東京大学の中でも発展を続けています。具体的には、ベイズ脳や自由エネルギー原理と呼ばれる計算論的神経科学や記号論を出発点に設計手法の体系化への挑戦がスタートしました。そして、その設計手法を意味中心設計と命名し、人間中心設計に変わる新たな設計手法としての提案を試みています。このような創造性に関する体系的な研究と社会実装の行き来こそが、NEW STANDARDの強みだと考えています。
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意味のイノベーション研究を実装する「COMPASSシリーズ」
研究にとどまらず、誰もが活用できる“方法”として実装したのが、NEW STANDARD独自のAIツール群「COMPASSシリーズ」です。「INSIGHT COMPASS」「IDEA COMPASS」「RESEARCH COMPASS」の3つのケイパビリティは、東京大学との共同研究で得られた理論を基盤に、独自のAIツール化に挑戦しています。

これらのツールは、生活者の感性や価値観を読み解く「生活者インサイト分析」、時代の変化を先取りする「MZ世代トレンド分析」、属人的になりがちなブランド開発やマーケティング開発に必要な「新しい価値(イミ)創造」など、日々のブランド開発やコミュニケーション開発業務のサポートを実現します。
NEW STANDARDの支援領域
NEW STANDARDでは現在、インサイト分析、トレンド分析、新しい価値(イミ)創出を中心とした理論を駆使し、専門家と独自AIが企業の新たな価値創造(事業・ブランド・商品開発)から、既存戦略や施策(広告・コンテンツ・マーケティング)の進化まで、さまざまなフェーズのクライアント企業の課題解決に伴走しています。主に組織・プロダクト・マーケティング・顧客起点の4つの領域でクライアントの課題解決を支援しています。

その中でも今回は、意味のイノベーションの研究成果を実際のプロジェクトに落とし込み、新しい価値(イミ)を生み出した事例の一部をピックアップして紹介します。いずれも文脈の変化を捉えた“意味の再解釈”によってクライアント企業の皆様とブランドを変革したプロジェクトです。
様々な場面で感じることの多い、若年層の「ビール」離れ。飲み会のはじめの一杯として「同調圧力」や「プレッシャー 」という文脈の中で意味解釈されていた「ビール」を、「マインドフルネス」や「ウェルビーイング」という新しい文脈で意味解釈したことで、「あるがままでいられるから充足感を感じるエモいビール」を開発。
マンダム「Levätä(レバタ)」
近年、頭の疲れやコリ・ストレスなどの悩みが高まっていることを背景に「毛髪と頭皮のケア」という文脈の中で意味解釈されていたメンズヘアケアを、「心と頭のケア」という新しい文脈で捉え直したことで、従来のメンズヘアケアとは異なる新しいブランド価値(イミ)を開発。
モノ消費、コト消費、イミ消費。時代の変化と共に、生活者が求める価値が変わるからこそ、NEW STANDARDはこれからも研究開発と社会実装を行き来しながら、生活者にとって社会にとって意味あるプロダクトや商品の開発を推進していきます。
NEW STANDARDと共に新しい価値(イミ)創造にご関心ご興味のあるデザイナーやクリエイター、プランナーやリサーチャーの方々がいらっしゃいましたら、下記募集ページからご応募いただければ幸いです。
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