Money Dysmorphia(お金醜形恐怖症)とは?意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説 | ニュースタンダードキーワード!!

2024/06/04
ニュースタ!編集部

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」が、いま注目するZ世代に関するキーワードを解説していく本連載。新しい価値(イミ)を象徴するキーワードの意味や事例からZ世代の価値観をわかりやすく解説します。
▶️ 【ニュースタンダード キーワード!!】一覧はこちら

Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)とは

Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)は、金銭感覚に関して自己認識と現実が一致せず、不安を感じたり執着する状態を指します。2023年11月にアメリカ・ABCの朝の情報番組「グッド・モーニング・アメリカ」で紹介され、その他メディアでも言及されるようになりました。

人からは認識できないような自分の外見の欠点に囚われ、社会生活に支障をきたす Body dysmorphia(身体醜形障害)と同様であるとされ、直訳すると「お金醜形恐怖症」になります。

Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)の4つのタイプ

「グッド・モーニング・アメリカ」でこの現象を紹介したファイナンシャルプランナーのAli Katzによると、Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)には少なくとも4つの不安タイプがあります。これらの金銭感覚の歪みは、時間やエネルギーの使い方、健康、人間関係などにおいて誤った決断を下す可能性があるといいます。

・お金が足りなくなるのではないか?
・負担になってしまうのではないか?
・行き詰まるのではないか?
・お金のために利用されてしまうのではないか?
(参照: Ai Katz on LinkedIn)

アメリカのMZ世代は、お金に対する考えをこじらせている?

アメリカの18歳以上を対象にしたCredit Karmaの調査では、全体の約3分の1(29%)が「Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)を経験している」と回答。Z世代で43%、ミレニアル世代で41%、X世代で25%、59歳以上で14%となり、特にMZ世代で傾向が顕著に。そのうちの半数以上(54%)が「お金持ちになるという考えに執着している」と認めながら、69%以上が「自分がお金持ちになれると思わない」と回答しています。

SNS上の他人や有名人との比較から生じる金銭感覚の認識と現実の歪みによって、自分の経済的な目標を達成するためのステップを妨げる可能性が指摘されています。

参照:Gen Z and millennials are obsessed with the idea of being rich, and it could be leading to money dysmorphia.(Credit Karma)

中流意識が崩壊した日本も、お金に対する考えをこじらせている?

かつて「一億総中流」と言われた日本でも、安定した仕事、持ち家、自家用車、さらには結婚や子育てまで、「中流の暮らし」の条件だったはずのものが手の届かない贅沢になっています。

労働政策研究・研修機構が2022年に実施した「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」によれば、全体の55.7%が「中流より下の暮らしをしている」と回答。親より経済的に豊かに「なれると思う」人が18.6%であったのに対し、「なれないと思う」人が約2倍の36.2%となっており、その傾向は30代、40代で顕著になっています。

参照:「暮らしと意識に関するNHK・JILPT 共同調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)

自分とお金に誠実に向き合う、Z世代のTikTokトレンド

ソーシャルネイティブのZ世代にとって、SNSは金銭感覚の歪みを引き起こす原因であると同時に、解決方法を見出す場でもあります。Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)に対するZ世代らしい回答といえるのが、自分の予算や貯蓄目標を周囲に宣言し、過度な支出を減らすことを試みるTikTokトレンド「Loud Budgeting」です。

インフルエンサーのLukas Battleが「Loud Budgeting」のコンセプトについて語った投稿が多くの共感を得て広がり、自分の経済状況を隠さずSNSで明らかにする行為は、誠実でクールな行為だと考えられています。

@lukasbattle Replying to @operelly ♬ original sound – Lukas Battle

参照:2024年は「節約を隠さない」。新たなトレンドが幕を開ける!

Money Dysmorphia(マネー・ディスモーフィア)のキーポイント

・コロナ禍を経た生活様式の変化に伴い、消費行動や価値観も急激に変化

・金銭感覚の歪みから生じる不安や執着で、正しい判断ができなくなる可能性も

・誰かと比較せず、自分の経済状況に向き合うことが第一歩

What’s NEW STANDARD?

「金融リテラシー」

STANDARD:お金のある人が身につけるもの
  ↓
NEW STANDARD:自分らしく生きるための生活スキル

***

ミレニアルズ及びZ世代に関する調査・研究をおこなう「NEW STANDARD THINK TANK」による、世界中で今生まれている新しい基準や価値観をまとめた四半期レポートは、以下から無料でダウンロードいただけます。

***

ブランド開発のサービス詳細はこちら
プロモーション開発のサービス詳細はこちら
デプスインタビューサービス詳細はこちら
TABI LABO媒体資料ダウンロードはこちら
お問い合わせはコチラ

無料ニュースレター登録のご案内
トレンド分析やZ世代の価値観がわかる最新レポートなど、ビジネスに役立つ情報を週2,3回お届けします👩‍💻

ニュースレターに登録する


ニュースレター

毎週配信!新しい価値(イミ)創造のためのTipsや
最新のTHINK TANKレポートをお届けします。詳しくはコチラ >

このシリーズをもっと読む

NEW STANDARDロゴ

私たちは
ミレニアルズ及びZ世代のスペシャリストとして、
新しい価値(イミ)創造を
“ユーザー起点”でアジャイルに実現する、
ブランドDXカンパニーです。