NEW STANDARD THINK TANKでは、Z世代リサーチャーが世界中のミレニアルズやZ世代から生まれる新しい価値観やトレンドを日々収集・分析し、定期レポートとして発信しています!
「若年層のトレンドや消費行動への理解が不十分」と感じる方や、「創造的な手法で若年層市場、特にZ世代にアプローチしたい」という方に向けて、NEW STANDARD THINK TANKの定例ミーティングの様子を大公開。話題の事象についてZ世代のインサイトを堀り下げながら、新しい意味(価値)を共に考えるブレスト会議の様子をぜひ、のぞき見していってください。
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共感の嵐!Z世代が二度見したTikTokキャンペーン動画
なるみ・X世代:今月も月次レポート制作お疲れ様でした!私たち、レポート制作のために国内外のMZ世代向けブランド、プロダクト、サービス、プロモーション事例を毎日チェックしているけど、Z世代のおふたりは、最近、個人的に気になったキャンペーン事例ってある?
ももか・Z世代:少し前になるんですけど、すごいショート動画がありまして。TikTokを見ていたら偶然流れてきたんですけど。これです。
@marcjacobs Dakota Fanning at our office on 72 Spring Street, NY. #MJ40 ♬ original sound – marcjacobs
ももか・Z世代:オフィスで仕事している女性が急にモニターを床に叩きつける。キーボードを踏みつけ、パソコンも投げつけ、ピンクのトートバックでさらに破壊する――これ、マーク ジェイコブス公式アカウントが投稿した、40周年記念のキャンペーン動画なんです!やばくないですか?
のん・Z世代:えぇ〜 🤯
なるみ・X世代:これは確かにやばい 😦
ももか・Z世代:最初は意味が分からず、よく見ると公式アカウントの投稿だと気づいて。超パンクなかっこよさと爽快感、共感の気持ちが沸々と湧いてきて、いいね押しちゃいました👍
のん・Z世代:しかもこの女性、女優のダコタ・ファニングだったんですね。コメントは共感の嵐(笑)!思わず何度も見ちゃいます👀
なるみ・X世代: セキュリティカメラ映像のような荒さ、商品であるトートバッグのアピールよりも、Z世代の気持ちを代弁する不条理な破壊行為。マーク ジェイコブスの反骨精神、90年代から衰えてないね。
ももか・Z世代:ブランドや企業が発信する公式SNSの情報感度って、いまや購買行動を左右するくらい重要だと思うんです。マーク ジェイコブスのTikTokは、インフルエンサーとのパートナーシップをうまく活用した戦略でZ世代の共感を高めているアカウントのひとつなんです。
参照:Marc Jacobs on TikTok: A Strategy of Humor and High Fashion(DSCENE)
のん・Z世代:なるほど。ミーム文化を活用してTikTokに溶け込むことで、ユーザーにブランドがZ世代の“ノリ”を理解していることをアピールしているんですね。
TikTokカルチャーを皮肉った、そっくりさんキャンペーン動画
なるみ・X世代:そういえば、Instagramで見かけたアレキサンダー ワンのキャンペーン動画も同じように面白かった。名作バッグTHE ROCCOの復刻版・THE RICCOのリリースを記念したキャンペーン動画、ちょっと見て!
@alexanderwangny 100% certified authentic – ricco back in stock 5.22
♬ original sound – alexanderwang
なるみ・X世代:最初は「このアンボックス動画、出演セレブが豪華だな」って思ったんだけど……よく見ると 😅
ももか・Z世代:よく見ると、本物のセレブじゃないですね!ディープフェイクセレブかと思いきや、全員そっくりさん。おもしろすぎる🤣 しかも、そっくりさんたちはTikTokの人気クリエイターですよね。
のん・Z世代:投稿コメントは「100% certified authentic」と一言。バッグの復刻にちなんで、TikTok上でミーム化しているディープフェイクセレブやDupes Cultureを風刺しているんだ。おもしろい!
なるみ・X世代:AIの淡々としたナレーションも笑えるよね!ハイファッションブランドがTikTokに進出したのってつい最近だけど、これこそ完全にTikTokのノリを理解した、オーセンティックなコミュニケーションだなって。
参照:Is Alexander Wang’s viral lookalike ad a genius marketing move or deeply problematic?(The Drum.)
イケてる企業アカウントの“中の人”はZ世代?!
ももか・Z世代:ニュースタのキーワード記事で紹介した、言語学習アプリ「Duolingo」もエンタメ路線の攻めた投稿が話題ですよね🦉
参照:Why Gen Z is obsessed with the Duolingo Owl(Fast Company)
なるみ・X世代:記事によれば、若いチームがSNS運用を担当していてTikTokトレンドに反応するスピードも速く、アイデアの考案から動画の公開まで30分で済ませることもあるんだとか!
のん・Z世代:Xでは「Duolingo」の日本公式アカウントも話題になっていますよ!日本語のオリジナル投稿もかなり攻めてる。きっと“中の人”はZ世代の方なはず!
ねえ、今日のDuolingoやった?@hirai_swing pic.twitter.com/ovWeDBw0jV
— Duolingo(デュオリンゴ) | 日本公式🇯🇵 (@Duolingo_Japan) July 9, 2024
なるみ・X世代:確かに。企業アカウント運用は炎上を回避する安全な運用をすべきと思い込んでいる私たちX世代には、この攻めの運用はできないよ。コメントへの返信もカジュアルな文体だけど好感が持てるね。
ももか・Z世代:Z世代が運用しているSNSでいえば、LOWYA公式アカウントもTikTokで共感を生んでいます。
@lowya_official_tiktok 前回バズりにバズった、「伸縮コーナーラック」のご紹介です✨☺️見せると隠すを両立できるのが推しポイントです😎 #収納 ♬ オリジナル楽曲 – りょうくん🦖
参照:バズる家具続出の「ロウヤ」 ショート動画とSNS、運用の勘所(日経クロストレンド)
ももか・Z世代:LOWYAは実店舗が少ないので、利用シーンや製品情報を端的に説明してくれるショート動画は、見ていて飽きないんです👀
のん・Z世代:私もTikTokでLOWYAのショート動画よく見ます。動画だとサイズ感がよくわかるし、例えば、一人暮らしの限られた空間でも使いやすい機能性もよく伝わるんですよ。
なるみ・X世代:なるほどね!
ももか・Z世代:そして、最近一番注目しているのが、インフルエンサーが着用していた古着を扱うC2Cマーケットプレイスの「Pickyou」の公式TikTokアカウントです。「今日何着てる?」を質問するストリートスナップ動画が人気なんですよ。
@pickyou.app
ももか・Z世代:インタビュアーもインタビュイーもリアルで、イケてる感があります。このサービスの創業者もZ世代なんですけど、Z世代のノリやミーム文化は、なんだかんだでZ世代が一番わかってると思うんですよね。
参照:フリマサービス「ピックユー」 出品者の魅力にフォーカス SNSで若者から支持(織研新聞)
なるみ・X世代:ほほぉ、インタビューにマイクを使わず、iPhoneでカジュアルにやっているところも企業公式アカウントっぽくないけど、これが今のイケてる感なのか。勉強してみる。
のん・Z世代:最近では、企業の公式アカウントもエンタメ路線の強化が進んでいますよね。その背後には、必ずZ世代の仕掛け人がいると思うんです。私たちもZ世代の視点を大事にしながらリサーチをしているので、ぜひ“中の人”に会ってお話を聞いてみたいです。
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