NEW STANDARD THINK TANKでは、Z世代リサーチャーが世界中のミレニアルズやZ世代から生まれる新しい価値観やトレンドを日々収集・分析し、定期レポートとして発信しています!
「若年層のトレンドや消費行動への理解が不十分」と感じる方や、「創造的な手法で若年層市場、特にZ世代にアプローチしたい」という方に向けて、NEW STANDARD THINK TANKの定例ミーティングの様子を大公開。話題の事象についてZ世代のインサイトを堀り下げながら、新しい意味(価値)を共に考えるブレスト会議の様子をぜひ、のぞき見していってください。
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Kenken・M世代:前回の記事「Z世代リサーチャーと考える、お菓子における新しい文脈と「意味のイノベーション」事例」、示唆に富んでいておもしろかったですね!
ももか・Z世代:ありがとうございます🥺
なるみ・X世代:ほかにも、未来の兆しを感じさせるお菓子の事例があったよね?
のん・Z世代:はい、夏休みならではの需要を狙ったアルファ世代向けお菓子です🍿
ももか・Z世代:一般的に「α(アルファ)世代」の定義は2010年以降生まれ。2024年現在で14歳以下の世代を指します。つまり、ミレニアル世代の子どもに当たる世代になります。以下の記事でミレニアル世代の特徴を復習してから、お菓子の紹介、いってみましょう!
参照:ミレニアル世代とは? 価値変革のパイオニア「ミレニアルズ」8つの特徴(ニュースタ!)
参照:α世代とは? デジタルネイティブの進化系「アルファ世代」の特徴(ニュースタ!)
参照:働き方、消費行動、環境問題。3つの価値観で見る「ミレニアルズ(ミレニアル世代)」とは(ニュースタ!)
アルファ世代×ミレニアル世代親子のインサイトを捉えたお菓子で、情緒的な繋がりを構築
なるみ・X世代:まず、森永製菓のロングセラースナック「おっとっと」と「ポケットモンスター」の最強コラボです🐡 2024年夏は、過去最大全75種のポケモンがおっとっとの菓子型として登場し、特設サイト内の専用カメラでポケモンの形を読み読み取ってコレクションできるそう。さらに夏休みの自由研究のヒントをゲットできる特設サイト「ポケモンとワクワク自由研究」も開設されています🌟
参照:過去最大全75種のポケモンがおっとっとの菓子型として登場!「おっとっと」ポケモンパッケージ6月中旬より順次発売!「ポケモンとワクワク自由研究」を公開(PR TIMES)
ももか・Z世代:もうひとつは、ファミリーマートと「学研の図鑑LIVE」がコラボした「学研の図鑑LIVE 昆虫グミ」ですね。「学研の図鑑LIVE 恐竜グミ」に続くコラボ第2弾、エナジードリンク味のカブトムシと、コーラ味のノコギリクワガタは、細部までリアルさにこだわっているとのこと。この商品の注目はAR機能で、「ARAPPLI(アラプリ)」というアプリをダウンロードして、パッケージをスキャンするとランダムで2種類の昆虫が飛び出てきたり、昆虫との写真を撮ることもできるそうです🪲
参照:「学研の図鑑LIVE」とコラボレーション「学研の図鑑LIVE 昆虫グミ」7月23日より発売!~食べて学ぶ昆虫の世界!昆虫グミで知識とおいしさを体験しよう~(PR TIMES)
Kenken・M世代:なるほど、新しいね😲
のん・Z世代:共通する特徴は、(1)インパクトのあるコラボレーション(2)親子で一緒に楽しめる体験を提供(3)デジタルコンテンツを活用して、「自由研究」という夏休みの親子のお悩みを解消する施策であること……もはや、ただのお菓子じゃない。アルファ×ミレニアル世代の親子のインサイトを捉えて、お菓子の提供価値を最大化している事例といえるかもしれません🤔
Kenken・M世代:ミレニアル世代はデジタルネイティブで「コト消費」を好む世代。アルファ世代は、幼い頃からデジタルデバイスを使いこなすリテラシーを身につけていると言われている世代。リアルとデジタルを融合させて、親子で一緒に体験できるお菓子なら、子どもに買い与えやすいよね。
それに、懐かしいコンテンツを子どもと一緒に楽しめるのもポイント高いよ。「おっとっと」「ポケモン」「学研」「昆虫」って、僕らの世代にとってはエモさ満載の「ノスタルジー消費」です🥹
なるみ・X世代:日産セレナのCM「モノより思い出」のコピーが生まれたのが1999年か。ミレニアル世代は、カブトムシやクワガタに夢中になったあの夏に思いを馳せ、アルファ世代は、お菓子を通じてスマホでポケモンや昆虫を捕まえて遊んだ夏を大切な思い出として記憶する。
ブランドがアルファ世代の子どもたちに対して情緒的な繋がりを築くきっかけになるお菓子、といえるかもしれませんね。
親子で趣味を共有、親密化する親子関係
ももか・Z世代:そういえば、先日、別のミーティングで取り上げた調査データに、新しい親子像を示すデータがありましたね。19〜22歳未婚男女を対象に、1994年から30年ぶりに実施した博報堂生活総合研究所の「若者調査」では、「母親と共通の趣味がある」若者は50.7%で、1994年から+20.8pt増加していたそう。女性では1994年の41.1%から60.0%へ、さらに男性では1994年の19.5%から2倍以上の41.6%と変化していました。
のん・Z世代:母親の増加量よりは少ないとはいえ、「父親と共通の趣味がある」若者も1994年の33.6%から41.5%へ増加しているそうです。30年前の調査対象者は、現在49〜52歳の「団塊ジュニア世代」で、ちょうど私の親世代です。私も父と共通の趣味があります😉
参照:「若者調査」30年変化の結果を発表~親子/交友/働き/学び/環境などで大きな変化~(博報堂生活総合研究所)
なるみ・X世代:私が若者だった頃は親のすべてがウザくって(笑)、正直、共通の趣味なんて考えられなかったな🤨 特に音楽やファッション、映画のようなカルチャーは、到底、親世代に理解できない新しさや過激さがあって、そういうものを親に隠れて楽しみながら、自分探しをしていたように思う。夜更かしして深夜ラジオをこっそり聞いたり、破れたデニムを縫われて喧嘩したりね。もちろん「友達親子」のような家庭もあったけど、今、親子関係はより親密化しているよね。びっくり🥹
ももか・Z世代:Kpopのコンサートに親子で一緒に行くのは当たり前だったりしますし、子ども世代のカルチャーに親世代が影響を受けるということも普通にあると思います。最近、親子が登場するTikTokコンテンツをよく見かけますけど、TikTokのような自分たち世代のカルチャーに親を引き込んでコンテンツ化することが当たり前になっているんじゃないかな?
参照:The Delicate Art of Turning Your Parents Into Content(THE NEW YORKER)
Kenken・M世代:確かに😳 うちも高校生になる娘と未だに「プリキュア」の新作を見たりしますね。娘が小さい時から一緒に見てきたので。
なるみ・X世代:マジか!いい娘さんだなぁ🥹
のん・Z世代:Kenkenさんって優しいお父さんって感じがします😙
動画配信サービスの普及が可能にした、コンテンツの「シン・親子消費」
Kenken・M世代:動画配信サービスの普及によって、親子でコンテンツをおすすめし合う環境が整ったことが大きいけど、親子間の新しいコンテンツ消費のかたちってあるかもね。
ももか・Z世代:ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』がZ世代やアルファ世代の間で話題になりましたよね!Netflixで配信されて話題になったので、配信オリジナルの感覚で見ました。表現の過激さに驚いたり、出演俳優も豪華で。「窪塚愛流くんのお父さん、若い頃にこんな演技してたんだ」みたいな新鮮さがありますよ。
なるみ・X世代:なるほど。確かに、それは親子で盛り上がれそう。
のん・Z世代:親子で「推し活」も、もはや当たり前です。
Kenken・M世代:コンテンツ消費だけでなく幅広い分野で「現代の親密な親子関係が、新しい消費の形を生み出していくのではないか?」という仮説が立てられそうだね。名付けて「シン・親子消費」!これ、どうでしょうか?
のん・Z世代:いいですね!例えば、アルコールの「シン・親子消費」ならどうなるか?と想像してみると、新しい価値創造に繋がりそうです。
なるみ・X世代:おもしろいね。例えば、最近、お酒を控え目にしている親と、ビールの苦さが苦手な子どもが、お互いのお気に入りのお酒をおすすめして一緒に飲みニケーションを楽しんだり!それをブランドがサポートできるよね。
ももか・Z世代:このMTGから新語がどんどん生まれていきますね!「シン・親子消費」、引き続きリサーチしながら仮説を検証していきましょう👀
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