「ごはんキャンセル界隈」で界隈消費されそうなプロダクト・サービスは?四半期レポート2024年夏号 編集後記【Z世代リアルボイス会議】

2024/07/04
ニュースタ!編集部

NEW STANDARD THINK TANKでは、Z世代リサーチャーが世界中のミレニアルズやZ世代から生まれる新しい価値観やトレンドを日々収集・分析し、定期レポートとして発信しています!

「若年層のトレンドや消費行動への理解が不十分」と感じる方や、「創造的な手法で若年層市場、特にZ世代にアプローチしたい」という方に向けて、NEW STANDARD THINK TANKの定例ミーティングの様子を大公開。話題の事象についてZ世代のインサイトを堀り下げながら、新しい意味(価値)を共に考えるブレスト会議の様子をぜひ、のぞき見していってください。
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豊富すぎる情報が、Z世代の「食不安」を引き起こす?

なるみ・X世代:みなさん、四半期レポート「NEW STANDARD THINK TANK Quarterly Report <Summer>」がようやくリリースされました。制作お疲れ様でした!

Kenken・M世代:みんな、お疲れ様でした!今号は新たな試みとして特集「Z世代の食習慣のニュースタンダード」を設けて、内容の濃い号になりました。Z世代リサーチャーのおふたりには、食意識に関する調査に取り組んでもらいましたが、どうでした?

のん・Z世代:今回の調査結果から、Z世代は他の世代に比べて、食事を間食で済ませたり、1日3食の習慣を持たない人の割合が高いことがわかり、5つの食習慣を「ネオ・フーディー」「ごはんキャンセル界隈」「サステナ美学」「ボディメイク・コア」「チェーン・スナッカー」としてまとめました。Z世代の食習慣の多様化や、食自体の価値変化が見えてくる興味深い内容になったと思います。

ももか・Z世代:Z世代の食意識インタビューを担当したんですが、食の好みや食習慣はバラバラでも、皆「食事を残すことはできるだけ避ける」「いただく命や生産者への感謝の気持ちを持って食べる」と話してくれたのが印象的でした。Z世代が食に対する責任感やエシカルでサステナブルな意識を根底に持っていることがわかり、とても興味深かったです。

Kenken・M世代:なるほど。Z世代が小学校の頃に「食育基本法」が制定されて、学校などでも食育に触れる機会が多かったはず。そうした場面で得た知識の影響も少なからずあるのかな?

参照:令和5年度 食育白書(農林水産省)

ももか・Z世代:そういえば自分が中学生の頃、動物がスーパーに並ぶまでのドキュメンタリーを視聴する授業があって、ショッキングな映像に驚いた記憶があります……といいつつ、その日の夜はふつうに焼き鳥屋でおいしくご飯をいただきましたけど 😅

のん・Z世代:最近はSNSでも、よくそういったコンテンツを見かけます。なにげなく口に運んでいる動物たちがどんな扱いを受けて育っているのかとか。実際、普段の食材選びでも、かなり気にするようになりました 🥺

ももか・Z世代:Netflixでも、食に関するドキュメンタリー映像は数多く公開されてますよね。うちの妹はそれをみて、一時期ヴィーガンになっていたなあ🤔

参照:ヒトは食べ物でできている: 双子で“食”を検証(Netflix)ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実(Netflix)Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密(Netflix)Seaspiracy: 偽りのサステイナブル漁業(Netflix)

のん・Z世代:他にも、「こういう食品は体に悪いから絶対に食べちゃダメ」とか、「これらの食材は老化につながりやすいからNG」とか、食に関するネガティブな情報をSNSで得て、無意識に自分の食事に制限をかけてしまうこともあって。大学生の時は、もう何を食べたらいいのかわからなくなり、ノイローゼっぽくなってしまった時期もあったんです😣

なるみ・X世代:この前、TABI LABOでちょうど紹介されたけど、以前の のんさんのように、健康的な食事以外いっさい摂れなくなってしまう人のことを「オルトレキシア」と呼ぶみたい。「純粋な食事」に強いこだわりを持ち、厳格な食事制限をしたり、人間関係に支障をきたすほど食事について過剰に気にしたりしてしまうとか。

参照:健康という「妄信」が、アナタの身体を蝕んでいく……【オルトレキシア】(TABI LABO)

のん・Z世代:そんな言葉があるんですね!確かに、私はこれだったのかも……😖 食への余計な知識やこだわりを身につけすぎて、それが逆に食の選択肢を狭めてしまったかもしれない。

Kenken・M世代:Z世代が気候変動の加速からメンタルを病んでしまうのに近いのかもね。環境問題が不安になっちゃう「エコ不安」と同じで、食育を身近に受けてきたからこその「食不安」みたいな。

参照:If climate change keeps you up at night, here’s how to cope(Harvard Health Publishing)

ももか・Z世代:「ごはんキャンセル界隈」も、食を効率化したいとか、食事より優先したいものがあるだけでなく、「命を必要以上にいただきたくない」「食べなくていいならムダに食べたくない」って意識があるようで。もしかすると、Z世代が食事をもっとポジティブにとらえられるような、従来とは違う新しい食育が必要なのかもしれないですね。

「ごはんキャンセル界隈」に必要なのは、ポジティブな食体験を一緒に楽しめる相手?

なるみ・X世代:このレポート制作中は忙しくて、「ごはんキャンセル界隈」と「チェーン・スナッカー」を行ったり来たりしてました🙄 でも最近、私にぴったりのサブスクを見つけたの。無添加の完全食おにぎり「COCOMOGU(ココモグ)」。1食(2個)に1日に必要な30種類以上の栄養素が含まれていて、タイパよく栄養摂取でき、かつ美味しいのよ。

参照:“ごはんキャンセル界隈”に提案。完全食の「おにぎり」はいかが?(TABI LABO)

のん・Z世代:うわ〜、これは「オルトレキシア」気味の私も嬉しいヤツだ!ちょっとお高めだけど、コンビニで栄養面を妥協しながら何品か買って済ませるよりは、罪悪感もないし安上がりですよね。

ももか・Z世代:スナッキング習慣のある私は、アメリカで発売されたダノンヨーグルトの新ライン「REMIX」 が気になってます。これ、チョコやナッツなどのトッピングが付属しているタイプのヨーグルトで、罪悪感なくスナッキングしたいときにぴったりな商品なんですよ。手軽に食べられて味もよく、栄養価に優れたプロダクトの需要は確実に増加してますよね。

参照:「ダノン」、間食にぴったりの新ライン「REMIX」をリリース!

のん・Z世代:一人暮らしをしていた時は完全に「ごはんキャンセル界隈」だったんですが、先日テレビで放送されていて気になったのが「東京かあさん」っていうサービス(※現在は「きらりライフサポート」に名称変更)。ベテランの主婦さんがご飯を作ってくれて、一緒に食べてくれるようなサービス、あったらいいなと思ってたんです!

なるみ・X世代:へぇ、このサービス、会社の福利厚生としても導入されたりしてるのね。親が遠方にいて頼れないというZ世代にとっても、近所に家族のように頼れる存在がいたら確かに嬉しいだろうね。

参照:経済産業省「家事支援サービス福利厚生導入実証事業」に採択、22社が福利厚生としてきらりライフサポート(旧:東京かあさん)を導入

ももか・Z世代:サービス内容を見てみると、家事だけじゃなく、人生相談に乗ってもらうこともできるんですね😳 退職後のシニアの方々ならではの経験や知恵も活かせるし、お互いにとってwin-winなのかも。それに専任制なら「ただのお手伝いさん」ではなくて、つながりのある関係が育める気もする。

のん・Z世代:家事代行っていう名目だと、自分でできないのが情けないとか、贅沢かなとか、ネガティブに感じてしまうことも。一方このサービスは「第二のおかあさん」のような望郷的な情緒価値もセットで、ポジティブに利用しやすいところがいいなと思ったんです。

Kenken・M世代:なるほどなあ。「ごはんキャンセル界隈」にとって、ご飯が楽しいと思わせてくれる相手、ポジティブな食体験を一緒に楽しめる相手がいてくれることが重要なのかもしれないね。

なるみ・X世代:前回のMTGで、食事に対する気持ちと行動が一致しない状態を「ごはんキャンセル界隈」と命名して独自調査をしてきたけど、界隈として顕在化させたことで、自分も食習慣や生活を見直すようになりました。前回も言ったように、「食習慣の乱れ」と批判するのではなく、寄り添って共感してみるのもって大事だなって。食習慣って、ふとしたことをきっかけに変わることもあるし。このレポートをきっかけに新しいプロダクトやサービスが生まれ、Z世代の皆さんが健康的で自分らしい食を楽しめるようになることを願っています。詳細はレポートで👇👇👇

ミレニアルズ及びZ世代の価値観から生まれる、 食習慣のニュースタンダード
 ⎿ 5つの食習慣のニュースタンダード
  ├ 😋 食を体験としてシェア。「ネオ・フーディー」
  ├ 🙅‍♀️ 無駄に食べたくない。「ごはんキャンセル界隈」
  ├ 💪 理想のカラダは食事から。「ボディメイク・コア」
  ├ 🌱自分が心地いい選択を。「サステナ美学」
  ⎿ 🍪間食が主食。「チェーン・スナッカー」
 ⎿ Z世代のインタビュー調査
  ├ 👩 CASE1 会社員/26歳・女性 Aさん「インスタストーリーでシェア、食が育む美意識とセンス」
  ├ 👨 CASE2 会社員/22歳・男性 Bさん「食事はキャンセルしても、食べ残しはNG。食事よりも推し活で心の栄養補給」
  ├ 👨 CASE3 会社員/23歳・男性 Cさん「タンパク質、タイパ、コスパ。今どきトレーニーの食生活と悩み」
  ├ 👩 CASE4 大学生/21歳・女性 Dさん「『ごちそうさま』を言いたくなる食事は、私のアイデンティティ」
  ⎿ 👩 CASE5 企業インターン/22歳・女性 Eさん「面倒で義務感のある食事より、流れを妨げないスナッキング」 
 ⎿ 四半期レポート2024年夏号 編集後記【Z世代リアルボイス会議】

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