NEW STANDARD THINK TANKでは、Z世代リサーチャーが世界中のミレニアルズやZ世代から生まれる新しい価値観やトレンドを日々収集・分析し、定期レポートとして発信しています!
「若年層のトレンドや消費行動への理解が不十分」と感じる方や、「創造的な手法で若年層市場、特にZ世代にアプローチしたい」という方に向けて、NEW STANDARD THINK TANKの定例ミーティングの様子を大公開。話題の事象についてZ世代のインサイトを堀り下げながら、新しい意味(価値)を共に考えるブレスト会議の様子をぜひ、のぞき見していってください。
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睡眠は、現代人にとっての必須スキルに?
なるみ・X世代:みなさん、今季も無事に四半期レポート「NEW STANDARD THINK TANK Quarterly Report <Autumn>」がリリースできました!
Kenken・M世代:みんな、お疲れ様でした!前回の「食習慣」特集に引き続き、今回は三大欲求の2つ目である「睡眠」をテーマに「MZ世代の睡眠事情からみる新たな価値観」を深掘りしてみました。 Z世代リサーチャーのおふたりは、MZ世代への調査を振り返ってみて、どうでした?
ももか・Z世代:今回のアンケート調査では、「寝ても疲れが取れない/目覚めが良くない」悩みを抱える人の割合が、全世代で想像以上に高いことがわかりました。寝る前のPCや携帯の酷使や情報過多から、眠りが浅くなってしまう人や、スッキリ起きられない人が多いのではと感じます🧐
Z世代に顕著な傾向としては、睡眠中に使用しているアイテムとして「美容グッズ」を挙げる人が多いことが特徴的でした。実は自分も、TikTokで話題になっているものはつい試してしまうんです。最近だと、就寝前に顔に貼り、寝ている間にじっくり保湿を行えると話題の“3時間シートマスク”を買ってみました✨
なるみ・X世代:なにそれ、気になる👀 最近はSNSのショート動画でも、睡眠グッズや睡眠ハックに関する投稿を目にすることが増えたよね。レポートで紹介した「Sleepy Girl Mocktail」や「Morning Sheding」など、世界中でさまざまな睡眠トレンドが巻き起こっているのを感じますね。
のん・Z世代:インタビュー調査で、ミレニアル世代は睡眠改善のために高品質の寝具や計測デバイスを活用したり、計画立てて睡眠時間を確保するなど、睡眠に対して意識的で現実的な考え方が多い印象でした。
一方、Z世代は睡眠の質と翌日の体調があまり結びつかないと感じる人が多く、”睡眠キャンセル”気味になったり、逆に1日中ずっとベッドで過ごしたりと、極端な睡眠スタイルが見られたのも興味深かったです。
なるみ・X世代:年齢を重ねるとたっぷり寝ようとしても目が覚めるのよ。だらだら寝られるのは若者の特権だね!
のん・Z世代:そうかもしれません😂 とはいえ、多くの人が睡眠に関する基本的な知識をある程度持っていることに驚きました。特に、最近各メディアで話題になっている睡眠学の権威・柳沢正史先生の存在は広く知られていて、彼の意見を参考にしているという話もよく聞きました👀
ももか・Z世代:最近は睡眠に興味がない人でも、生活の中で睡眠に関する情報が自然と目につくから、みんな最低限の知識はあるんだよね。
Kenken・M世代:以前は、睡眠なんて特に意識せずに取るものだった気がするけれど、今では睡眠に関するテーマがメディアで頻繁に取り上げられるようになったし、よりよい眠りをサポートするための技術やサービスもどんどん進化して、ちゃんと寝ない人は「自己管理ができない人」とみなされる風潮になってきました。
なるみ・X世代:「寝てない自慢」はもうダサいですよね。リモート勤務やフレックス勤務が一般的になった今、個人が自分の責任で就寝・起床時間をコントロールせざるを得ない状況なのかもね。
参照:It’s time to admit that Gen Z is right about sleep(Fast Company)
Kenken・M世代:最近だと、睡眠の質はもちろん、結局「量」が重要だという論点の話もよく聞くね。
のん・Z世代:インタビューでも、睡眠の質以前に、睡眠時間の確保を重視されている方が多かったです。コロナ禍を経て、リモートワークへ移るなどのライフスタイルの変化から、睡眠の量を確保できるようになった人も多そうですね。
なるみ・X世代:睡眠に関する知識はあるし、睡眠の重要性もわかってはいるけど、なかなか時間を確保できないという人が多いのかもしない。
「よい睡眠」の水準が上がったことで、
“睡眠不安”を感じてしまう
なるみ・X世代:私は仕事と同じようにプライベートもすべてデータで管理したい性格で、運動や睡眠の記録はスマートウォッチで、体重や食事、お金の管理はアプリで、全ての生活習慣をログとして残しているのね。
ももか・Z世代:すごい!なるみさん、ストイックですね…😧
なるみ・X世代:一番改善が難しいのが睡眠で。データを見たところでうまくコントロールできないし、自分に合った睡眠スタイルや睡眠時間を判断するのはとても難しい。あえてスマートウォッチを外して寝た夜に限って、よく眠れたりするんだよね。
のん・Z世代:そうなんですね🤔 数値に固執するあまり「良いスコアを取ること」自体が目的化してしまうこともありますよね。
なるみ・X世代:そうなのよ。健康維持が目的だったのに、「今日は睡眠が足りていないので、イライラしてしまうことがあるかも」と指摘されたりするの🥺 完璧な眠りなんかないとわかっていても、いざスコアを可視化されると過剰に気にしてしまうことがある。
のん・Z世代:そういえば前回の「食」レポートの編集後記で、食事に「完璧」を求めすぎてしまう「オルトレキシア」について触れましたが、睡眠でも同じように、睡眠データに過度にこだわるあまり不安やストレスを抱えてしまう「オルソソムニア」(Orthosomnia) という概念があるそうです。
参照:“完璧な睡眠”へのこだわりが不眠を悪化させる?「オルソソムニア」とは何か(GQ JAPAN)
なるみ・X世代:私、これだわ…😨
ももか・Z世代:海外でも、睡眠の効能を最大化させるためにさまざまなハックを試す「Sleepmaxxing」というトレンドが流行する一方で、そうした際限のない睡眠不安に囚われてしまうといったネガティブな影響もあるようですね。
参照:Gen Z starts ‘sleepmaxxing’ trend in a bid for better shut-eye: Here’s what it is and how it works(New York Post)
のん・Z世代:そういう意味では、食事とほぼ同じ流れを辿っている気もします。健康的な食事を推奨する情報が身のまわりに溢れることで、きちんと食事が摂れない自分に落ち込んでしまうのと同じように、睡眠の質を上げることが良しとされすぎた結果、逆に「深く眠らないといけないんだ、どうしよう」という余計な不安を生じさせてしまう。
なるみ・X世代:本当は「今日も大丈夫だよ」って、安心させてほしいんだよね。
ももか・Z世代:最近では飲料や食品、ライフスタイル業界などでも、睡眠サポートに特化した商品が続々と登場しているけれど、「よく眠れる〇〇」だけでなく、「うまく眠れない自分」を肯定してくれるようなものもあったらいいですよね🥺
のん・Z世代:今回のレポートでは、調査から見えてきたMZ世代のインサイトをもとに、こんなプロダクトやサービスがあったらいいんじゃない?というソリューション案も盛り込んでみました。
これをきっかけに新しいプロダクトやサービスが生まれ、MZ世代の皆さんが健康的で自分らしい睡眠を楽しめるようになることを願っています。
気になるレポートの中身はこちらから!👇👇👇
ミレニアルズ及びZ世代の価値観から生まれる、 睡眠のニュースタンダード
MZ世代の睡眠調査
睡眠の最新トレンド
├ 短く質が低い日本の睡眠。厚労省、10年ぶりに睡眠指針改訂
├ ソーシャルメディアが助長する、“完璧”な睡眠への強迫観念
├ “ベッドで腐る” がセルフケア? TikTokを席巻する「Bed Rotting」
├ ぐっすり眠れるアレンジノンアル「Sleepy Girl Mocktail」
├ 快眠を誘う製品に注目。急拡大する睡眠関連市場
⎿ ヒルトンが予測した「スリープツーリズム2.0」
Z世代のインタビュー調査
├ 👩🏻 会社員・大学院生/27歳・女性/Aさん
1日中ベッドで“腐る”のが私にとって最高に贅沢な休日
├ 👦🏻 会社員/35歳・男性/Bさんの場合
ショートスリーパー幻想からの目覚め、無理をしない睡眠管理
├ 👩🏻 会社員/26歳・女性/Cさんの場合
オンとオフの曖昧な境界線。細切れの仮眠と休日の寝溜め
├ 👩🏻 学生/20歳・女性/Dさんの場合
睡眠は無駄かもしれない。でも、添い寝する関係は必要
├ 👦🏻 社会人/32歳・男性/Eさんの場合
“推し”と過ごす夜のために。睡眠マネジメントは共感を重視
├ 👩🏻 学生/21歳・女性/Fさんの場合
自由すぎるフルリモート生活。早起きできない自分に自己嫌悪
編集後記:睡眠キャンセルも?スキル化する睡眠にプレッシャーを感じてしまう【Z世代リアルボイス会議】
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